美川隊員


 宇宙船文庫「ウルトラマンA超獣事典」(昭和61年3月)。いま、CSファミリー劇場で「ウルトラマンAデジタルリマスター版」を放映中ですが、古い友達からメールが来て『美川隊員は子供の頃おばちゃんに見えたけど、いま見たらものすごく美人。』と書いてきました。
 いまごろ何を言うとるんじゃいと、私はもっと前に気付いていました。やはりファミリー劇場で「ウルトラ情報局」というコーナー番組があって、美川隊員役の西恵子がゲストで出てきました。その時点で、四十代後半くらいだったと思いますが、あんまり奇麗でびっくりしました。司会の鈴木繭菓が別の動物に見えたくらい。鈴木繭菓とは「ウルトラマンコスモス」で女子隊員をやっていた人です。ピンクパンダというバンドもやっていました。

 おばちゃんに見えたと言いますが、実は、南夕子役の星光子と同い年。ちなみに、北斗星児は山中隊員によく怒鳴られていましたが、高峰圭二と沖田駿一は同い年で裏では仲良し。ついでに、近野隊員役の山本正明は森次晃嗣と同い年で仲良し。
 では、西恵子と星光子は仲が良かったのか?映画斜陽期に日活に入り、そのままポルノ女優にされるよりは、怪獣女優と呼ばれた方がましという覚悟の西恵子。劇団(四季)の紹介でオーディションを受け、まさか変身するとまでは思わず、ウルトラ女優と呼ばれる将来を不安に感じていた星光子。その視線は別々の方向を向いていたと思います。
 邪推ですが…関かおりが撮影開始早々骨折したとき、南夕子役を西恵子にするという選択肢もあったはずです。そうならなかったのは、やはり映画で裸になっていたからではないでしょうか。そんな想像をすると、また西恵子が気高く見えます。

「ウルトラ情報局」での回顧談。美川隊員と言えば第四話「3億年超獣出現!」。私服の青い訪問着ですが、あれはこの回のために自分でデザインして、仕立て屋だったお父さんに作ってもらったとのこと。ものすごく良い話で、そのお父さんをウルトラシリーズの隠れた功労者として顕彰したくなります。しかし…視聴者が感じる一つの疑問を繭菓が代弁して尋ねました。「スカートが短か過ぎませんか?」西「そういう時代だったのですっ」
「エース」といえば迷走している感想があるのですが、時代が、日本が、迷走していたのです。総理大臣は田中角栄、あさま山荘事件は「エース」放送中に起こりました。

「エース」のメインライターは市川森一さんなのですが、橋本洋二プロデューサーと意見が合わず、最初しか書いていません。そのあとは、いろんな脚本家が思い思いに書いていきました。
 特撮現場も殺伐としていました。当時の円谷プロは怪獣ブームでものすごく忙しく「エース」は東宝映像に下請けに出されました。しかし、もともと東宝の子会社だった円谷プロの仕事を下請けせざるをえなくなった東宝映像側の気持ちはどんなものだったのでしょう。実際に東宝側のスタッフの本心を聴いた竹内博さんは、円谷一という人は、そういうところに配慮が無く鈍感だったと責めます。特撮美術を担当した鈴木儀男さんなんかは東宝の特撮スタッフにいじめられたそうです。

 迷走の果て…最終回になって、橋本プロデューサーは市川さんに書かそうとしたのですが、最初の設定がみな変更されていて、どうにもならなくなっていました。子供らに「仲良くしろ」とだけ言って、帰っていきました。あれしかなかったそうです。

 北斗星児と南夕子の本当の最後はどうなるはずだったのでしょうか。
 また、ヤプールとは何だったのでしょうか。英語表記ではYAPOOLですが、ヘブライ語ではYがJになります。多元宇宙の日本人ということか?キリスト教徒である市川さんには意図するものがあったはずです。それでいながら、企画書にはウルトラA(ウルトラマンA)は菩薩だとも書いています。世界を終らせるような壮大な叙事詩黙示録になっていた気がします。
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Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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