仮面ライダーJ


 宇宙船別冊ウルトラブックスという本が平成2年から刊行されていました。忘れていたわけではありませんが、資料性が薄い気がして無視していたのです。しかし、宇宙船のバックナンバーを並べて特撮ファン史を辿るという主旨に鑑み、私感で価値判断すべきではないと考えを改めました。私のてもとにあるのは下の三冊だけですが、もっと出ていたのかも知れません。
 ウルトラブックスはAB版の絵本サイズで、漢字にふりがなが打たれています。年少読者から宇宙船の子供向けを出して欲しいという要望があったのでしょうか?どうも…それは考えにくい。私の知っている子供は頭の中はポケモンだらけで戦隊にすら興味を持ちませんでした。小学生にもなると怪獣なんて言っていたらいぢめられます。宇宙船読者の高齢化に危機感を抱いた編集部が次世代特撮ファン養成のために発行した本…それに違いありません。

 ウルトラブックス94年版最強怪獣・ヒーロー超図鑑から、仮面ライダーJを描きました。Jリーグ発足の年に登場したライダーです。ただし、サッカーとは関係無く、巨大化することが唯一最大の特徴です。古いファンは巨大化する仮面ライダーを歓迎するはずがありません。なんと、石ノ森章太郎先生も雨宮慶太監督も巨大化には大反対だったといいます。脚本は上原正三さんなのですが、第二稿を書くときに巨大化させる設定が入って驚いたと言われます。原作者と監督と脚本家の意思が入っていない映画を作品と呼べるのか疑問がわきます。
 では、誰が仮面ライダーJを巨大化させたのか?企画に4人の名前がクレジットされています。
 一人目は渡邊亮徳さん。そもそも毎日放送と東映の間でオートバイに乗った仮面ものをやると話をつけたのはこの人。仮面ライダーについては最大の発言権があります。二人目は山科誠さん。バンダイの社長。スポンサーなのですから発言権は強いと思われます。三人目は吉川進さん。戦隊、宇宙刑事、「BLACK」で上原正三さんと仕事をしてきた人。上正先生に脚本をふったのは吉川プロデューサーです。
 そして、村上克司さん。一番、不気味な名前です。Jは石ノ森章太郎先生存命中最後の仮面ライダーなのですが、私は石ノ森先生のデザイン案を見たことがありません。村上さん本人か村上さんの指示で描かれたバンダイ側の決定画があるだけです。マフラー、ベルト、手袋、靴をオミットして、巨大化したときに違和感が無いことを前提にデザインされています。面長なのも下から撮ったときにパースが出るようにするためでしょう。

 巨大化するJもブーイングを浴びたのですが、さかのぼって、スカイライダーが空を飛んだことも不評でした。飛べるのならオートバイで移動する理由が無くなります。……ところが、後年、ライダー大集合映画が作られるようになると、特異な能力を備えた二人が画面の中で存在感を発揮します。展開に変化をつけ盛り上げるのです。桂米朝師が芸人論としていみじくも語っておられた、若いときにイヤミやったところが歳とったら味になるとはこのことに違いありません!
 なお、米朝一門と仮面ライダーは無縁でもなくて、朝丸(ざこば)の弟子の都丸がガンガンジーの役で出ていました。ガンガンジーが出ていた期間、あの枝雀さんも「仮面ライダー(スカイ)」を観ていたそうです。
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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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