ローズマリー


 メガロマンの話は前回で終るつもりだったのですが、なんとなくメガロマンがもう一度観たくなりました。十数年前、CSで放送されたものを録画したビデオテープを再生するため、日本橋へ行き、ポンコツデッキを買ってきました。5900円でした。
 まだ最初の数話しか観ていませんが、ひとつ分かったことがあります。メガロマンといえば、あのお母さんが印象に残っていると思ったら、それどころか、お母さんこそが物語の中心だったのです。ロゼッタ星へ飛んできた宇宙飛行士獅子堂剛(川津祐介)と結婚し、ふたごの子供たかし・ひろしを産んだことが全ての始まりです。対立する部族“黒星族”との争いに敗れ、夫は殺され、ふたごの片方ひろしを奪われ、自分はたかしを連れて地球へ亡命しました。なお、こっちの部族名は“たてがみ族”です。
 黒星族総統に育てられたひろしは、キャプテンダガーと名を変え、怪獣軍団を率いて地球に攻撃を仕掛けてきます。お母さんは、たかしをメガロマンにしてこれを迎え撃つのです。地球で成長したたかしは、自分がメガロマンに変身する理由や、その能力を知りません。戦闘が始まると、エプロンにカーディガンの普通のお母さんから、このイラストのようなコスチュームにチェンジし、セコンドのように口うるさく指示を飛ばします。(最も有名なお母さんウルトラの母でも、ここまで口出ししません。)このコスチュームは戦闘服というより民族衣裳だと思って下さい。結婚式に親類のばあさんがたが留袖でずらっと居並ぶ感覚です。一族の一大事に際して覚悟を示す、あるいは覚悟を促す正装なのです。
 たてがみ族の男子の使命は戦争。その母親の役割は息子を強い戦士に育て上げること。お母さんは、たかしを地球の拳法家の道場に預け、ひたすら武技を鍛錬させてきました。我が子を怪獣の前に立たせることに躊躇のないこの母親を鬼とは呼ぶなかれ。この母は“たてがみ族”なのです。

 ここで唐突に好き!好き‼魔女先生こと月ひかる先生の名前を出します。5900円のデッキを買ったついでに「好き!好き‼魔女先生」のテープも回したのです。ソラリスの時間さんの記事を読んで、なんとなくこっちも観たくなったのです。その第4話の授業中、黒板に世界地図を掲示した月先生は、「国境があるのは地球だけです。アンドロメダ星雲アルファー星ならアルファー人。M78星雲ウルトラ星ならウルトラ人。もし、宇宙人に何人かと訊かれたら日本人ではなく地球人と答えましょう」と言います。その壮大な気宇や良しと讃えたいところですが、人類が地球の各地でどれほど多彩な習俗信条を固持して生きているか把握されているのでしょうか?日本の常識では理解できない部族民族が生活しています。アイルランドの人はイギリスへの帰属意識は希薄だし、そのイギリスもヨーロッパ連合から離脱しつつあります。EUの利益よりも由緒あるフィッツジェラルド家の門閥が優先するのです。日本の小学生と同じ意識で地球人という感覚は無いと思います。
 アイルランドの歴史にくらべれば日本史は単調ですが、2677年125代の皇統を辿れば語り尽くせるものでもありません。諏訪の御柱祭などは、神道が成立する前の縄文時代に起源を持つと言われています。パンチ一発で伝統の野球部が廃部になるような現代に、死人がいくら出ても断絶しない行事があること。人命より一本の木が大切な町があること。同じ日本人でも理解し難いのですが、これは重要なことなのです。大樹を神とする原始宗教は世界中にあったのですが、キリスト教によって禁止されたのです。遺物が残っているのに、そんな信仰は無かったこととされ歴史から消されたのです。「好き!好き‼魔女先生」第4話の脚本市川森一さんはキリスト教徒でした。月先生が日教組の組合員だとしたら背後に共産思想があります。
 キリスト教や共産党の一元論で地球が統一されたとしたら、人間の自由や部族の信仰は奪われ過去の歴史は書き換えられます。おそらく数百人の特権階級によって何十億の人々が支配される世界になります。私は拒絶します。(月先生が例に挙げたウルトラ人は統一されても戦争ばかり続けているではないか!)自分が何者かと考えるときは、日本人もしくは、もっと小さい単位で規定しておいたほうがよいと思います。

 メガロマンのお母さんは、地球では獅子堂マリの通名で暮らしていますが、ロゼッタ星人としての本名はローズマリーでした。ドラマの中で呼ばれることもないし、本人も名のることがなかったので知らなかったのですが「カード図鑑メガロマン」を手に入れて判明しました。このビデオテープを見終わったら、もう二度と再び「メガロマン」を通して観る機会は無い気がします。さらばメガロマン!さらばローズマリー!たてがみ族に栄光あれかし!
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No title

僕も「メガロマン」を見て、メガロマンのお母さんのレオタードコスチュームに魅力を感じていました。
イラストも本当に見事でマリファンにはたまらないと思います。
出来れば敵の黒星兵士と戦ったシーンもイラストにして欲しいです。
マリファンにとって、あのシーンは一番印象に残ったと語られています。

マリファン

 放送終了から30年以上たっているのに、いまだマリファンという方々がおられることにびっくりしています。私の稚拙なイラストによくもお叱りを受けなかったものと冷や汗を流しております。

 ローズマリーの衣裳ははじめは別のものが用意されていたようですが、高林由起子の「脚を出したい」という希望で、あのコスチュームになったといいます。杉まどかへの対抗心もあったのかも知れませんが、結果として作品世界に統一感が出ました。

はじめまして

ハヌマーン&さとるさん、はじめまして。
私は特撮好きの39歳です。「炎の超人メガロマン」は再放送を見て好きになった番組です。そして先にコメントしているマリファンさん同様、私もローズマリーが好きでした。
番組当初はコクピットから支持するだけでしたが番組も中盤になるとエナジーコスチューム姿で現場に駆けつけるシーンもありマリファンさんがコメントしていた黒星族兵士と戦ったシーンは多分、21話の「メガロマン絶体絶命(後)」の時だったと思います。確かにあのアクションシーンは私も忘れられません。マリファンさんがリクエストしたローズマリーが黒星族兵士と戦ったシーンのイラストは私からもリクエストしたいです。そしてテレビでは実現しなかった高嶺ランと同様にローズマリーが黒星族兵士にマント越しから放つハイキックの画像をイラストして頂ければ言う事無しです。
結構ローズマリーのアクションや苦戦する妄想をする方が多くローズマリーがメガロマン同様 貼り付けにされて捕らわれる妄想や黒星族兵士達に抱え上げられる妄想、更には「仮面ライダー(新)」においてスカイライダーと戦った怪人タコギャングと戦い苦戦するローズマリーの妄想と様々です。
メガロマンの話は終わったと思いますが「おまけ」という形でローズマリーの黒星族兵士にハイキックするイラストをお願いします。長い文章と勝手なリクエストして申し訳ありません。

マリーキック

承知いたしました。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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