メタリノーム


「宇宙船」Vol.40(昭和63年1月)。好評だったということで、前号に引き続き「キャプテンウルトラ」特集第二弾。今回は怪獣編。キャプテンウルトラの怪獣群はつぶぞろいです。フィギュアを造ったり集めたりしたくなります。
 好評と云うことですが、宇宙船読者で「キャプテンウルトラ」を知らなかった人はいないだろうし、また、宇宙船の特集を読んで「キャプテンウルトラ」のファンになったというのも考えにくいので、放送当時に観ていた人が賛辞をおくったのだろうと推測します。読者コーナーにおたよりが載っています。大阪の森川学さん。キャプテンウルトラ特集を熱望する手紙を編集部宛に送り続けて、ようやくかなったことに対する御礼の内容。本当に好きだという心が伝わってきます。こういう純粋な熱意の前には、傲慢な作品論は無意味です。

 特撮ファンとして知りうる「キャプテンウルトラ」スタートまでの経緯。東映テレビはNETの持株会社だったのですが、他局への売り込みにも乗り出し始めました。TBSにも「宇宙大戦争」という企画を提出しました。おりしもTBSでは円谷プロの「ウルトラマン」を放送中。超高視聴率をたたき出していたのですが、特撮のスケジュールがきつくなって、早晩にも間に合わなくなることが見えていました。円谷英二までが名義を伏せて手伝いに入る状況。実際どうなのかという問いに対して、特撮現場の責任者高野宏一さんが「もう無理」と正直に答えたことで「ウルトラマン」は終了が決定。半年の準備期間を経て新シリーズを再開することになりました。
 その間をうめるために東映テレビ部に発注されたのが「キャプテンウルトラ」でした。そういう裏事情を知らないまま東映ははりきって制作を開始しました。最初から赤字覚悟で、最終的に大赤字になりました。平均視聴率は30%近くあったのですが、「ウルトラマン」には及ぶべくもなく、プロデューサーの平山亨さんはスポンサーの武田薬品に大阪の本社まで呼びつけられて文句を言われました。東映としては長く続く番組にするつもりだったのですが、TBSは予定通り半年で終らせて、完成した円谷プロの「ウルトラセブン」に切り替えます。東映テレビの悔しさが偲ばれるようです。キケロ星人ジョー役に選ばれた新人小林稔侍は、キャラクター設定がわかりにくいと指摘されて12話で降板させられました。小林稔侍はこれで将来の目処がたったと中古車を購入したばかりでした。
 赤字を補填するため、放送終了後も中田博久らは、キャプテンウルトラショーで日本中を巡業していました。いやな話が、上原正三さんの小説的自伝「ウルトラマン島唄」の中に書かれています。ウルトラマン終了後の円谷プロスタッフは次作ウルトラセブンの準備を開始していたのですが、やっぱり「キャプテンウルトラ」が気になったらしく、テレビで確認します。そして、特撮シーンがヘタだと笑い胸をなでおろすのです。円谷英二は、若き後輩矢島信男さんが東映の特撮部門を任されて苦労していたとき、東宝の機材を内緒で貸してあげ、また激励しました。心の大きさにずいぶんへだたりがあります。      つづく
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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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