白獅子仮面


「宇宙船」Vol.36つづき。 第1特集は「突撃!ヒューマン‼」でしたが、第2特集は「宇宙船サジタリウス」。宇宙船といえば、古い実写作品を掘り起こすことが特長で、読者もそれを期待していたのですが、これはリアルタイムのアニメ作品。平成28年夏現在、Vol.153まで出ているのですが、放送中のアニメが特集記事として取り上げられたのはVol.39の「宇宙船サジタリウス」だけです。私にはこの作品の真価がわからないのですが、特筆事項として記録しておきます。

 スーパースチールギャラリーは「白獅子仮面」。不人気のまま1クールで終了した番組なのですが、鮮明なスチール写真が多く残っています。DVDも出ていて全話鑑賞することも出来ます。しかし、私にとっては疑問の残り続ける番組です。まず、企画の経緯と意図が知りたくなります。着想が「快傑ライオン丸」と完全に同じであること。歌舞伎の連獅子をヒーローにして妖怪と戦わせます。白獅子仮面の発想者は先行作品のライオン丸を意識していたのかどうか?ということです。特撮ヒーローファンとしては評価の端緒がつかめないのです。

 ……歌舞伎の連獅子といえば、唄われる浄瑠璃の文句の中で、獅子は百獣の王、虎、豹より強いと言っています。江戸時代以前、ライオンは日本人に知られていたのでしょうか?日本画の画題に虎はよく描かれますがライオンは見たことがありません。伊藤若冲の絵にインドの動物ゾウは出てきますが、ライオンはありません。20世紀まではインドにもライオンがいました。絶滅したということは、個体としては強くても種としては弱かったのかと思ったら、飼育や繁殖の簡単な動物でよく増えるそうです。天王寺動物園でもメスライオンを隔離して子を産ませないようにしています。

 「白獅子仮面」は京都太秦で撮影されました。スタッフ、キャスト、そして馬も時代劇なれしていています(歴代チャンバラスターを乗せてきた馬。銘は伯竜だったか?)。いまは夏なのですが、こたつに入ってみかんを食べながら安心して観ていたいような作品です。安心できないのは、白獅子仮面に変身する主人公役の三ツ木清隆です。江戸時代の与力なのにズボンをはいているのです。(松村和子か!)これで興ざめします。「魔人ハンターミツルギ」の回で書きませんでしたが、ミツルギに変身する三人の忍者がヘルメットをかぶっていたことも残念でした。ついでに書くと「変身忍者嵐」の伊賀忍者がビニールの装束を着ていたことも番組の敗因だったと思います。最低限のリアリティーを守らないと、本質的にファンタジーである時代劇の世界観は崩壊するのです。
 なお、三ツ木清隆は当時ZATの隊員だったのですが、主役をやらせてくれる「白獅子仮面」を選んで、「タロウ」のレギュラーを降りました。金鳥の創業者は「鶏口となるも牛後となるなかれ」と言ったそうですが、石川進とともに三ツ木清隆はウルトラマンシリーズの裏切り者です。

 白獅子仮面がライオン丸の剽窃という疑いは晴れないのですが(京都撮影所の作品・白馬童子はあきらかに真似ている)、その個性はやっぱり強烈です。NGになった白獅子仮面もまた衝撃的です。両方を並べたイラストが描きたかったのですが、NG白獅子仮面の写真が載っていた本がわかりません。記憶と想像で描きました。前回、このブログは特撮ファンに向けて書いていると言いましたが、始めた当初はゴジラとかバルタン星人のような万人の知る怪獣の絵を描いて不特定多数の階層に読んでもらおうと思っていました。しかし、NG白獅子仮面なんて描いてしまったら後戻りできないでしょう。
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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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