シルバージャガー


 「宇宙船」Vol.20(昭和59年9月)。ゴジラ復活!新作「ゴジラ」撮影開始!最高の朗報と同時に、とんでもない悲報が……平田昭彦、逝く…なにやってんねん!特撮ファンをふくめた当時の特撮界の間の悪さに腹を立ててしまいました。
 特集は「シルバー仮面」。三国志の時代に「人あるところに人なし 人なきところに人あり」という格言がありました。日本にあてはめるなら、京や大坂の人口密集地にこれといった人物はおらず、足柄山の山奥や、葛城山系の谷間にこそ、熊を投げ倒す怪童がいたり軍学を極めた兵学者が棲んでいるという話です。何が言いたいのかというと、かけ出しの特撮ファンだった頃の私は、本当に凄い作品は理解されることなく埋もれていったのでないかという幻想を信じていたのです。実相寺昭雄監督が中心になって企画され、放送されるや裏番組の「ミラーマン」に視聴率争いで負け、2クールで終了した「シルバー仮面」こそ私が希求する本命穴馬でした。どんなことがあっても全話観たくて、プレミアがついていたLDボックスを買いました。
 低視聴率の重圧に負け、途中から巨大化しシルバー仮面ジャイアントになるのですが、この変節については唐突な感はなく、物語は円滑に進みます。肯定できないのは、松尾ジーナの降板です。五人兄弟の一人が缺落することは、基本設定に反しますし、テーマにも觝触します。「シルバー仮面」はその完結性において失敗作であったと判定しました。同時に、「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を超えるものはこの世に無いのだ…という諦観に至りました。同好の日本特撮ファンの意見を求めます。

 ピープロの「シルバージャガー」が日仏米合作でスタートするというニュースが載っています。それを記念して、プロモーションビデオが発売されるという広告でもあります。疑問符がいくつもつきます。「シルバージャガー」については宇宙船創刊号に新作として紹介されたまま、ずっとなりをひそめていました。邪推ですが、パイロットフィルム製作に携わった人々に報酬が支払われていないため、製作中止とは言えないまま、プロモーションビデオ発売というその場しのぎでごまかしたのではなかろうか?
 このプロモーションビデオは、最近、CSの番組「特撮国宝」で世界的作曲家鷺巣詩郎さんの私物として放送されました。故鷺巣富雄社長が出演して、これからは宇宙SFの時代であり、「シルバージャガー」こそがその本命穴馬であるというような内容を熱弁されているのですが、結局ポシャった顛末を知っているのでインチキくささ満点です。これが自分の父親だったら恥ずかしいなと思っていたのですが、世界の詩郎さんにとっては、やっぱり好きで好きでたまらない人だったのでした。司会の樋口監督との対談でもお父様への深い思いを語っておられました。
 今回のイラストは、マンドラーに攫われた王女ラブを奪回して、シルバージャガーがネコ族の王になるという結末を空想して描きました。
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ハヌマーン&さとる

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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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