地獄大使


 「宇宙船」Vol.19(昭和59年8月)。特集は「帰ってきたウルトラマン」。これより「宇宙船」は第二次怪獣ブーム時期の作品群について本格的なアプローチと再評価を始めると宣言がなされます。スタッフインタビュー、団次郎と榊原るみの対談、四人の論客が視点を分担して語る、キャラクター論、怪獣論、メカニック論、ドラマ論。池田憲章さんが思いついたフレーズ「青春という名のウルトラマン」が言い得て妙です。この作品から受ける、不安定で未完成な印象や瑕瑾が愛おしいものに変っていきます。
 新作映画は「零戦燃ゆ」と「ウルトラマン物語」。「零戦燃ゆ」は杉田庄一さんをモデルにした主人公を堤大二郎が演じていました。杉田さんは山本長官が撃墜されたときの護衛機の一人でした。本土防衛任務のために呼び戻されて松山343空基地に着任してからは、迎撃機紫電改を乗機にしていたのですが、映画では「零戦燃ゆ」という題名上最後まで零戦で戦っていました。特技監督は川北さん。「ウルトラマン物語」はウルトラマンタロウの成長物語でした。子供時代のタロウはファンの間で便宜上“コタロウ”と呼ばれています。タロウの声が石丸博也になったのは、この映画からです。コタロウ時代は野沢雅子。ついでに…ウルトラの母はメーテルの池田昌子でした。ぬいぐるみに入っていた人は尻の大きい足の短い日本の女の人でした。

 今号から始まる平山亨さんによる連載「私が愛したキャラクターたち」が、ものすごく面白い。平山さんがプロデュースした作品の架空のキャラクター達の来歴を短編小説風に描き、その人間性を探求する企画です。製作裏話を聞くことも興味がありますが、時間や予算の制約の中で慌ただしく造られて画面から消えていったキャラクターの経歴を想像してみることも格別の娯しみです。
 地獄大使の本名はダモン。サンフランシスコのスラム街で生まれました。うりふたつのガモンという従兄がいます。これが後の暗闇大使です。貧困と差別と犯罪の中で育ち、ついに逮捕されてアルカトラズ刑務所に収監されるのですが、脱獄。ネバタ砂漠でガラガラ蛇を捕って、蛇買いに売る暮らしをしていたところ、人民解放戦線の青年と知り合い、一旗上げようと考え、一緒に、フランス領インドシナに渡ります。解放軍の闘士として戦っていたのですが、青年が政府軍に寝返ったため、隠れ砦を攻撃され憤死。幸か不幸か脳だけは無傷だったのでショッカーに拾われ改造人間として生き返ったのでした。
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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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