ガッパ


「大特撮」(昭和54年・有文社)大阪の同好会コロッサス・コーオペレーションが研究成果の結晶として上梓した本。これほど膨大にして詳細な資料集が編纂されたことは嘗て無く、特撮本の金字塔です。宇宙船発刊の起点でもあります。宇宙船が同人誌の雰囲気を濃厚に残していたのは、原点である「大特撮」が功利目的で出版された本ではなかったからです。特撮映画を文化として記録しておこうとする学究的使命感と、衰徴する日本特撮を助けたいという義侠心が底にあります。向後、怪獣ハウスは同人誌も取り上げていく予定です。
「大特撮」は、特撮という言葉の範囲の規矩にもなりました。この本に収録され便宜的に分類された分野のみを指定するようになりました。すなわち、国産の怪獣映画、SF映画、戦争映画、怪談映画、そして、それに準ずるテレビ映像作品です。技術用語として考えるならアニメーションも特撮なのですが、これは除外されました。また、外国映画も區別されます。

 特撮史を検証するにあたって、いくつか確認しておかねばならないことがあります。世界最初の特撮映画は19世紀末フランスのジョルジュ・メリエスによって作られるのですが、日本の特撮は、外国の技術を勉強したり影響を受けたりして生まれたものではないということ。明治40年代の京都。チャンバラシーンの途中で演技を止めて、フィルム交換。この間に一人の役者が小便に行きます。野外撮影でした。それに気付かずカメラを回したら、人間が一人、突如消えるという現象が出来上がってしまいます。この失敗をテクニックとして活用し、忍者映画が作られるようになりました。当然、日本民族のことですから次々とマニアックな工夫を凝らしていきます。忍者の対戦相手として蝦蟇や大蛇の怪獣も登場します。
 タイガーマスク研究会でプロレスの歴史を調べていたら、力道山以前にも日本にプロレス興行があって、しかもテレビ中継もされていたことがわかって混乱しそうになったことがありました。古代史ではなく最近の出来事です。それが無かったことになるのが恐ろしいと思いました。円谷英二登場以前にも人がいたことを特撮ファンは知っておかなくてはなりません。
 また……プロレス草創期の興行はやくざが仕切っていました。各地の親分や組の名前がいっぱい出てきます。これらの関係性を整理し理解しないとプロレスはわかりません。映画史についてもやくざと複雑に関わっています。特に京都の興行界、芸能界はやくざと表裏一体でした。円谷英二も京都にいました。やくざと無縁ではなかったはずです。また、その世界を居心地よく思う人でないと活動屋としてやっていけなかったともいいます。生地福島県須賀川では、円谷英二を文化的偉人としてまつりあげているようですが、やくざと親交があったとしたら教育委員会としては具合が悪いのでしょうか?それでも、実像は正しく伝えられるべきです。もちろん、天皇陛下から勳四等瑞宝章を授かった偉い人であることもまちがいありません。
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Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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