風魔烈風


「忍者キャプター大百科」(昭和51年/エルム)。古本屋で見つけたハードカバーの本。函入りだった可能性もあります。放送データに類する資料は無く、「大車輪花吹雪の術とは、野原に咲いている花にプラスチックを吹き付け手裏剣にして投げる」とか「土忍・黒川団の好きな食べ物はいなり寿司だ」というような劇中設定ばかり詳しく載っています。690円という定価は当時としてはかなり高い気がします。

 忍者キャプターのリーダーにして主人公出雲大介を演じたのは伴直也。宮内洋と並ぶヒーロー役者なのですが、私のお気に入りは潮建志が演った雷忍袋三郎兵衛でした。この人の個性がキャプターの魅力だったと思います。ただし、MVPは(成功したとは言い難い番組にMVPというのはおかしいのですが…)風魔烈風役の堀田真三です。26話で死んだ後、すぐ暗闇忍堂という別の役で登場するのです。たしかに七人ものキャプターを相手にして一歩も引かない迫力のある俳優というのは、なかなかいません。「快傑ズバット」には闇の黒兵衛という役で登場するのですが、威圧感がもの凄く、早川健も勝てないのではないかと心配したことがあります。
「忍者キャプター」の話は今回で終りますので、私の思う特撮悪役ベスト10を発表してみます。
第1位 天本英世 死神博士。受験勉強せずに東大に入り、つまらないからやめたという本物の天才。別にバカでも博士役は演じれるのですが賢い方が説得力があります。戦争末期不本意ながら徴兵され、自分より知能の劣る連中にいじめられた体験から日本の国家体制に恨みを持つ本物の危険人物。こんなすばらしい人が「仮面ライダー」に出演していたのかと思うときあらためて感動します。
第2位 潮健児 地獄大使。「ナショナルキッド」「悪魔くん」から出演している東映特撮最大の功労者の一人。なお、伴さんと潮さんはコロコロ芸名を変えるので要注意。「キャプター」のときは直弥と建志。
第3位 安藤三男 プロフェッサーギル。天本英世をさらに陰気にした感じの陰の極み。水分の少なそうな体質で、まさに血も涙も無い悪。
第4位 宮口二郎 ゾル大佐。栄光のショッカー大幹部一号。本来なら1位にしたいところですが。子供番組のレギュラーがゾル大佐だけというのが惜しい。
第5位 天津敏 甲賀幻妖斎。牧冬吉とともに昭和三十年代の宣広社作品にずっと出ています。また東映任侠映画では高倉健と対等の悪役として出演しています。ちょっと別格で子供番組の人ではない気がして順位を下げました。誰に対しても、ものすごく優しい人だったそうです。しかし、優し過ぎるというのも異常性格ではないでしょうか?逆に正義の赤影さんの人柄についてはあまり良い評判を聞きません。
第6位 高田宗彦 怪人ジェームス、荷蛭妖造博士、ブラックデビルと一つの番組「少年ジェット」の中で悪人を演じ続けた人。堀田真三、天津敏よりすごい。風貌が外人なので映画では外人役として重宝されるも、戦時中は敵国人と見られてひどい目にあったという過去も悪役の勲章。正義の日本人少年対悪い外人の大人というのが絶対的構図。
第7位 堀田真三 レギュラー幹部の役も多いのですが、トカゲロンの野本健みたいな単発ものも強烈に記憶に残る。堀田さんの話から始まったベスト10なのに、この位置…。申し訳なし。
第8位 石橋雅司 学生空手で敵無しになり、牛殺し大山倍達に入門。極真の看板を上げる前の超実戦道場で師範代を勤めたという本当に強い人。別に弱くても悪の幹部は演じられますが強いほうが説得力があります。千葉真一の空手映画で負け役をやってやっていますが本当は千葉真一より強い。言わずもがなながら、同時代のカラテスター、ヤン・シーとかブルース・リーよりも強い。ヒーロー番組にもよく出ているのですが、なぜか当たり役というものが思いつきませんでした。
第9位 汐路章 魔風雷丸。生理的に嫌いな人なのですが、その実績は無視しがたくランクインさせました。たぶん同性愛者だと思う。
第10位 曽我町子 へドリアン女王。この人については何位に入れてよいのか分かりませんでした。

 声だけの悪役なら、第一位は文句なしにハカイダーの飯塚昭三。二位はジェネラルシャドウの柴田秀勝。「太陽戦隊サンバルカン」ではヘルサターン総統の声が飯塚さんでしたが、最終回に出現したその上の存在の役を柴田さんが演じました。柴田秀勝といえば「タイガーマスク」のミスターXの声なのですが、ショッカー幹部のルーツはミスターXだというのが私の持論です。
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忍者キャプター


「ジライヤ」と「赤影」について書いたので、その中間点にあった「忍者キャプター」もついでに描いときます。この作品は、なかなか熱心なファンが多いようですが、私はというと堀江美都子のカン高い叫び声の主題歌が耳に突き刺さる印象しかありません。しかたないので特撮本の紹介という怪獣ハウスの主旨に立ち返って、アニメージュコミックス「忍者キャプター」(昭和56年/徳間書店)を読み返してみます。
 キャラクターデザインを依頼された聖悠紀さん本人によるコミカライズですので、原作本と言ってもいいのですが、むしろテレビに忠実に描かれています。桜小路マリアから天堂美樹への花忍交替やキャプター少年隊結成といった現場的事情による設定変更まで漫画に反映されています。一応の原作者は八手三郎。有名過ぎる架空人物。ウルトラマン関連の音源を購入すると著作権が円谷音楽出版玉川静となっています。この玉川静というのもあやしいなと思ったことがありました。円谷家と玉川学園は深い縁があります。と思っていたら「トリビアの泉」にウルトラの挿入歌ネタの証言者として出演されていました。実在の人でした。近年、疑ったのは藤林聖子。平成ライダーシリーズの主題歌と挿入歌の作詞をずっと一人で手がけています。これも八手三郎みたいに複数の人間のペンネームではないかと思ったら実在人物でした。過激な歌詞を書かれますがふつうな感じの女の人です。

 アニメージュコミックス「忍者キャプター」は古本屋で見つけました。奥付を見ますと放送当時の昭和51年にテレビランドとテレビマガジンに連載されたものを纏めて5年後の昭和56年に刊行されたことがわかります。買ってトクしたと思えるのは2巻の最後に、テレビマガジン昭和52年4月増刊号に発表された「快傑ズバット」が収録されていたことです。テレビマガジンに「快傑ズバット」の漫画が載ったのはこの一回だけです。テレビランドの方には連載されていました。漫画は細井ゆうじさん。
 こと「ズバット」に関してはテレビランドが力を入れていました。テレビでは語られない早川健の過去なども詳しく書かれていました。今年、佐藤琢磨が日本人として初めてインディ500レースに優勝したと騒いでいましたが、40年前、早川健がインディ500で優勝しています。これが日本人初ではないかと思います。
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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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