マリバロン


 前回のイラストの資料として引きずり出した「仮面ライダーBLACK・RX超全集」(小学館/平成元年8月)。開いたら、別の雑誌から切り取った「仮面ノリダー」の記事を挟んでいました。「仮面ライダーBLACK RX」の放送期間は昭和63年10月23日から平成元年9月24日。RXは昭和ライダーか平成ライダーかという論争がありますが、まさに昭和から平成に遷る同じ時期に「とんねるずのみなさんのおかげです」の中のコーナーとして仮面ノリダーが活躍していたのです。仮面ライダーらしからぬRXに対して、仮面ノリダーのカラーリングは旧1号に準じたものでした。なによりも小林昭二のおやっさんが出ていました。さらにはナレーターが中江真司!仮面ノリダーは仮面ライダーなのか?違うのか?その答を先送りにしようと、この記事を保管したのです。もしも、ノリダーが仮面ライダーという結論に至ったとき、こいつらはどうなるのかと、当時の私は、やはり別の雑誌から切り抜いた、明石家さんまのかまへんライダーとビートたけしのカメライダーの写真も挟んでいます。かまへんライダーは「オレたちひょうきん族」のキャラクターですが、カメライダーは何という番組に出ていたのか思い出せません。グドンのぬいぐるみと戦っています。パロディーとしても雑過ぎます。
       
 さて、今回のイラストは、息子が旅館の中居を強姦して今年話題の人になったマリバロンです。ことのしだいはともかくとして、高畑淳子にそれほどのネームバリューがあったのかと感慨深いものがありました。もちろん、紫綬褒章を受けたほどの名女優なのですが、われわれにとっては、いまでも東映のヒーロー番組にチョコチョコ出ていた人です。
 特撮ヒーローファンの哀しみは、そこに出演していた俳優がいつもそれっきりで終ってしまうことです。BLACK・RXと二年間にわたって仮面ライダーを演じた倉田てつを。そのあとNHKの朝のドラマ「君の名は」の主役に抜擢されます。スター街道をまっしぐらに行くのかと思ったのですが、スター街道を驀進して行ったのは相手役の鈴木京香でした。この人を見るたびに倉田てつをのことが心配になるのです。
 近年のライダーでは、フォーゼ・福士蒼汰、電王・佐藤健がこれからどうなるのか応援したいのですが、クウガ・オダギリジョーは確乎たる位置を築いています。藤岡弘、村上弘明は刑事ドラマや時代劇といった大衆の中でスターになっていったのですが、オダギリジョーはアート系の作品に進んでいきました。あと、「仮面ノリダー」の弟分チビノリダーをやっていた伊藤淳史は、いまでもドラマで活躍しています。
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仮面ライダーBLACK RX


「宇宙船」Vol.44(昭和63年9月)。今号は日本特撮の特集や作品研究がありません。めぼしい記事としては、「新・宇宙大作戦(STAR TRCK THE NEXT GENERATION)」の紹介。新シリーズ「仮面ライダーBLACK RX」が10月よりスタートするという話題くらい……めぼしい記事と書きましたが、それは私の価値基準であって、「宇宙船」には毎号、2級3級以下の内外のSF、ホラー映画及びビデオソフトの紹介に多くのページが割かれています。マニアの人にとっては貴重な情報源だったと思います。

 今回のイラスト。そのままRXを描こうと思ったのですが、気が変って、RXのために石ノ森章太郎先生が描かれたデザインスケッチの中から、一番かけ離れたものを選んでイラストにすることにしました。自分でも出来上がりが楽しみだったのですが、「仮面ライダーエグゼイド」放送中の平成28年現在の視点から見ると、違和感の無いありきたりな姿におさまってしまいます。
 新ライダーが登場するたびに「こんなん仮面ライダーやない」という批判の声が聞かれます。RXのときはマツダがスポンサーについたからか、四輪の自動車ライドロンが不評でした。仮面ライダーが自動車に乗るというイデオロギー的なことに加えて、ライドロン自体が不格好でした。———それから26年後にトライドロンを運転する車好きの仮面ライダー・ドライブが登場します。ドライブのときに作られた映画「仮面ライダー3号」に、ドライブのピンチを助けるためにRXがライドロンで参戦しました。何十年ぶりかで見るライドロンの疾走…恩讐を超えた感涙がありました。
 仮面ライダーというのは、もともと自由度の大きいキャラクターだったのかも知れません。いまやモチーフがバッタという定義は完全に崩れてしまいました。昆虫という枠も破られ、動物の域も脱し、ミカンやドングリの仮面ライダーもいます。もう何でもありなのかと思ったら、両親が死亡あるいは存在が不明という点だけは堅持され続けています。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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