磁雷矢


「宇宙船」Vol.41(昭和63年3月)。大特集・総決算!超人機メタルダー。特撮ファンに好評だった「メタルダー」だったのですが、幼年層の支持が得られず、金曜の夜から日曜の朝の時間帯に降格。そして、打ち切り。「仮面ライダーBLACK」も日曜の朝の番組としてスタートしました。爾来、特撮ヒーロー番組がゴールデンタイムに戻ってくることはありません。特撮ファンの失望と醒めた気分にむかえられて始まったのが「世界忍者戦ジライヤ」。
 「超人機メタルダー」やその前の番組「時空戦士スピルバン」の敵が全身に武器を装備した重厚なぬいぐるみだったのに較べて「ジライヤ」は敵も味方も忍者ということで軽装です。火薬の爆発や特撮合成ではなく生身のアクションを見せるというのですから、製作費も安上がり……とタカをくくっていたら、これが、また面白かったのです。世界中から国柄を特徴とする忍者が集まってきて忍術を競い合います。まず、世界中に忍者がいるという設定。その突飛な発想に意表をつかれて物語世界に引きずり込まれます。軽装で軽快で、メタルヒーローシリーズの重みをピョーンと跳び越えて行った感じでした。

 磁雷矢に変身する主人公の師・山地哲山という役で出演していた初見良昭さん。「ジライヤ」放送中は知らなかったのですが、UWFブームの頃に出ていた月刊誌「格闘技通信」(ベースボルマガジン社)で特集されていてびっくりしました。本物の忍者だったのでした。武號・初見鐵山。戸隠流忍法を含めた九つの古流武術の宗家の道統を継承するという凄過ぎる人だったのです。忍者の家に生まれ育ったわけではないのですが、大人になってから、忍術の修行を始めました。昭和六年生まれということなので、子供時代は猿飛佐助などの忍者文庫を愛読されていたと思います。そして、そのまま本当に忍者になったのですから、男として最高に幸福な人ではあります。もっと過去には、東映アニメ「風のフジ丸」の忍術解説コーナーにも出演されていたそうです。忍者のわりには、よくテレビに出演されます。忍びなれども忍ばざるとは、こういうことでしょうか?

 今号からの新連載。竹内博さんの「古今特撮映画の散歩道」。竹内さんが古書店、古書市を巡り歩いて集めた映画の本、雑誌を惜しげもなく紹介してくれます。「ゴジラも円谷英二も語るは易いが、その本来・土台を今のうちに研究しておかねば駄目だと私は思う……」という書き出しで、戦前、大正から始まります。このブログのテーマを特撮本、怪獣本にしたのですが、こんな良いことが書いてある専門書はありません。もしかしたら「宇宙船」のバックナンバーを全冊揃えておけば、特撮に関してはこと足りるのではないか?と早くも結論が見えてきました。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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