魔人ハンターミツルギ


「宇宙船」Vol.35(昭和62年3月)。「不可殺」追加申告。「不可殺プルガザリ」は昭和61年11月27、28日大阪のサンポードアップルシアターで公開されていました。日本語吹き替え無し、字幕無しという形式だったそうです。正規に解禁されたのは、ローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA」が完成した平成10年だと思います。なお、それまでに吹き替えビデオは出回っていて、私も友達に借りたのですが、その現物がなぜか?いまでもビデオ棚にあります……。
 さて、今号Vol.35の特集は「魔人ハンターミツルギ」。特撮部分を人形アニメでやった番組でした。「特撮国宝」の真賀里文子さんの回で、司会の樋口監督が「魔人ハンターミツルギ」について訊こうとしたら「ミツルギの話しはやめて!」と拒絶されました。本当に時間に追われて満足のいく仕事ができなかったというのです。特撮職人というより人形アニメ作家なのだと思いました。真賀里さんのプロフィールからは、「魔人ハンターミツルギ」が「変身ポンポコ玉」とともに削除されています。
 いくら真賀里さんに「見るな」と言われても、特撮ファンなら「ミツルギ」は必見です。人形アニメなので地面の上に立って戦っているばかりかと思うと、ジャンプして空中で姿勢を変え、足関節のクッションを活かして着地します。瞠目して観てしまいます。アニメイトから火薬の仕掛けまで、真賀里さんがほぼ一人でやったそうで、誰も手伝ってくれなかったことにも恨みが残っているような口吻です。火薬は「仮面ライダー」と同じ太平火薬からもらってきたそうですが、真賀里さんは火薬を扱う免許は持っておられたのでしょうか?

 「ジュラシックパーク」とか「トイストーリー」のような立体的なCG映画が作られるようになって、特撮ファンとしては、もう人形アニメの出番が無くなるのではと寂しくなりました。レシプロ戦闘機とジェット戦闘機くらいの勝負になるのではないかと思いました。かりにPIXERのような長編を人形アニメで製作したとしたら、そのエネルギーと情熱が伝わってきて、観客が疲れてしまいます。

 今回イラストの参考にした本は、Vol.35と「宇宙船別冊スーパーヒーローアルバム'71〜'73」なのですが、怒りの武神であるはずのミツルギがこれほど悲しそうな顔をしていたとは思いもよりませんでした。嘗て、こんな深い悲しみを感じたことがあるような気がして記憶を辿ったら、「コメットさん」第30話でした。寝苦しい夜に武と浩二がコメットさんを起こして、魔法でおもちゃのパーティにまぎれこみます。ここからが真賀里文子さんによる人形アニメです。かわいい人形がかわいいしぐさで踊るのですが、あまりに儚くて怖いくらいに悲しいのです。この悲しさは人形アニメが本質的に内包しているものでしょうか、それとも作家真賀里文子の個性なのでしょうか?零戦のエース坂井三郎の戦技がどれほど素晴らしくとも、未来の戦闘機パイロットに伝承不能であるように、真賀里文子さんの技術も一代限りのものになるのでしょう。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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