結城丈二


「宇宙船」Vol.32(昭和61年9月)。カラー大特集'70年代オール特撮大図鑑。昭和46年から昭和59年。まさに空前絶後!百花繚乱!百鬼夜行!粗製濫造!こんな時代がまた来ることを、ずっと心待ちにしていたのですが、なかなかやってきません。なぜだろうかと思っていたのですが、川崎実監督が「特撮秘宝」で“戦国時代”という比喩表現をされていたのを読んで納得しました。日本が都道府県に分裂して戦うような戦国時代もまた私の生きている間に見ることはなさそうです。川崎監督の言う戦国時代とは、怪獣だけではなく、アニメ、野球、プロレス、刑事ドラマ、時代劇、ドリフ、子供の興味を魅くコンテンツがいっぱいありました。その中で特撮ヒーローが輝いていたのです。また狂瀾怒濤の'70年代は時代劇ブームでもあったといいます。生田撮影所がフル回転で変身怪人番組を量産している頃、太秦撮影所のカメラも回りっぱなしだったのです。テレビの戦国時代でした。

 カラー特集特撮大図鑑には、ベロベロ、ガリガリ、ゴキドン等、描いておきたい怪獣が載っているのですが、今回もまた、おたよりコーナーを読んでみます。兵庫県の永川高弘さん。Vol.31に「時空戦士スピルバン」のホバリアンはスズキのプロトタイプマシン(FALCORUSTYCO)と書いてあったが、自分はGSX750Sの改造だと思うと。その同定理由としてトレッドパターンがどうの、フレームの構造がこうのと得々と、あるいは嬉々として述べておられます。こういうのもトクサツの正しい楽しみ方です。銀河連邦警察の次元移動バイクとか、古代文明の遺跡から発掘されたスーパーマシンのガソリンタンクにSUZUKIのロゴを見つけて、この世の中に夢は無いことを確認するのはヤボってもんです。
 福岡県の匿名希望の学生さん。朝鮮半島の怪物伝説についてのレポートを書いている最中に、「不可殺」映画化の情報を宇宙船誌上で知り、その奇跡的偶然に驚いておられます。不可殺の物語は口述で伝承されたものですから、何通りも存在すること。高麗王朝を滅ぼした怪獣であり、朝鮮民族にとっては良い怪獣であること。小さい物が鉄を食べて、どんどん大きくなるのですが、最終的なサイズは雄牛よりも少し大きい程度など、興味深い研究成果の一部を発表して下さっています。
 そして、当時、東京都町田の私立桜美林高校の在校生だった山本哲也さんから送られた悲報。山口暁死す。二年前、同校の学生食堂の店長として出向してこられて、今学期になってから顔を見ないと思っていたら亡くなったという話。山本さんも書いておられますが、放課後、食堂に行けば会えて、気さくに話ができるヒーロー、それは嬉しいような哀しいような複雑なものです。こんなことなら転職なんかせずに最期まで俳優でいて欲しかったとも思います。「ライダーマンのおじさん」と慕われていたそうですが、ここで特撮ファンの同志に聞きたい。山口暁の代表作はやはりライダーマンなのでしょうか?
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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