鬼太郎


「宇宙船」Vol.31(昭和61年7月)。鬼太郎ブームが起こっていると書かれています。念願の実写化が実現し、テレビアニメの新シリーズが製作され、少年マガジン誌上でも連載が開始されました。しばらく世間から忘れられていた鬼太郎が急によみがえったようで、実感として「ブーム」と言うしかなかったのかも知れません。しかし、鬼太郎というのは戦前の紙芝居の人気シリーズで、元ネタは、江戸時代に成立した怪談「子育て幽霊」です。そのルーツは、さらに時代を遡ることができ、日本人の心理の深淵に辿りつくのかも知れません。そして、おそらく、未来永劫日本人とともにあり続けることでしょう。

「鬼太郎ブーム」と、他人事のようにとぼけていますが、宇宙船は、Vol.18で「悪魔くん」特集をして以来、ずっと水木作品を取り上げてきました。朝日ソノラマからは、サンワイドコミックスのレーベルから水木漫画を復刻しています。そして、今号には「水木しげる貸本漫画傑作選」第一期10巻を刊行予定という広告が出ています。自作自演のブームか?

 また、ブームとかは関係なく、水木しげる作品には熱烈な愛好家がついています。漫画ファンとか特撮ファンとはちょっと違っていて、水木先生の原画を美術品として私蔵することを最大の目的としています。ひたすら緻密に書き込まれているのですが、風情があります。禅僧の筆のような味わいがあります。この絵が隻腕で描かれたというのです。「悪魔くん千年王国」の復刻版を読んだとき、あいかわらずの絵の凄さとともに私が驚いたのは、その博識でした。魔法、宗教、歴史……辺鄙な山村で少年時代をすごし、兵士として、もっと辺鄙というより原始的なニューギニアのジャングル地帯に送り込まれた水木しげる先生。いつ勉強したのかと思うのです。襟を正さずにはおられません。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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