レッドバロン


「宇宙船」Vol.25(昭和60年7月)。「高山良策怪獣製作日記」は昭和48年5月21日から8月17日。日本現代企画の「アイアンキング」、円谷プロの「ファイヤーマン」「ジャンボーグA」、ピープロの「風雲ライオン丸」……このクソ忙しいさなかに池谷仙克さんが結婚します。お相手はたしか高山さんのところでもアルバイトをしていた方。そんなこんなで仲人をたのまれた高山さんは両家の間を往復します。結婚式は6月11日、新婚旅行から帰ってきた池谷夫婦が挨拶に来たのが6月18日、すかさず、三日後の21日に池谷さんは、日本現代企画の「レッドバロン」の仕事を頼んできます。特撮ファンとしては謎があります。池谷さんは現代企画の社員ではありませんし、「レッドバロン」のデザイナーは池谷さんではなく、野口竜さんのはずです。しかしながら、ご祝儀ムードが残るなか断りきれません。9話登場予定のベスビオスYから一体おきに造る約束をしてしまいます。高山さんを酷使した人といえば、鷺巣富雄さん、大橋史典さん、そして、成田亨さんの名前が出てきますが、もしかしたら、一番ひどかったのは池谷仙克さんかも知れません。

 新作映画、テレビ番組、ビデオ、レコード、フィギュアの宣伝広告のページが増えていくなかで、山椒の小粒のようにピリッと光る連載が、Vol.23から始まった仁賀克雄さんによる「クトゥルフ神話入門」。アメリカの怪奇小説家ハワード・フィリップ・ラヴクラフトが創造し、オーガスト・ダーレスに引き継がれ、さらに、ラヴクラフトをリスペクトする作家達によって書き加えられた、壮大にして難解な怪物小説の体系の概要を整理したもの。登場する怪物や世界観を説明し、その読み方を指南しています。SFにせよホラーにせよ小説が基本で、ヴィジュアルでもサウンドでもなくイマジネーションなのです。こういうものが楽しめることが教養で、心の豊かさなのです。その知識がお金になるの?とか受験問題に出るの?とか聞くやつは心の貧乏人です。そういう私はといえば、怪物や怪獣の姿を文字で書かれても、まったく絵が浮かばず、空想小説を読むのは苦痛です。子供の頃はそんなことはなかったと思うのですが、もうイマジネーションがはたらきません。心は過疎地です。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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