レディM


「宇宙船」Vol.21(昭和59年11月)。「星雲仮面マシンマン」終了直後の天本英世にインタビュー。戦隊よりさらにふっ切れた明るさと軽さが当時の特撮ファンにウケた番組だったのですが、天本さんは「撮影では、僕は怒ってばかりいた」と言います。理由は子供番組でありながら、子供の扱いが悪かったこと。たとえば、遠方ロケで子役の出番の撮影が後回しにされたりしますと、先に撮って早く帰してやれとスタッフを怒りました。子役の母親らにも注意したら「文句を言ったら仕事が無くなる」という返答。そこでまた、天本さんは怒ります。子供の本分は勉強であり、もっと大切なことは自由に遊びまわることだと!天本さんはスペインの文化や歴史に傾倒していました。そのスペイン人と比較した地点から、日本人を怒り続けていたのです。電車の中で漫画を読んでいたり、ウォークマンを聴きながら歩く日本人の緊張感の無さ、周囲への関心の無さ、とりもなおさず幼稚さを怒っていました。スマホでゲームしながら歩く現在の日本人の姿なんか論外でしょう。
 その天本さんは、生涯、電話がありませんでした。年金も払っていなかったそうです。年金を払わない理由は、日本みたいなほうけた国の世話になるつもりはないから。「マシンマン」レギュラー出演中も、途中で抜けてスペイン旅行に行きました。文句を言わずに演技する俳優と、怒ってスペイン旅行に行く役者と、どっちが正しいのかという判断は別として、天本英世の生き方には憧れます。もちろん、誰にも真似はできません。自由と理想だけを追求する情熱の人でした。

 さて、「星雲仮面マシンマン」は原作石森章太郎とされていますが、事実はバンダイの村上克司さんが東映に持ち込んだ企画です。主人公マシンマン、マシンドルフィン等のメカ類もバンダイ側でデザインされました。石森先生は何をしたのかと疑問がわきます。プロフェッサーKの衣裳も天本英世の自前でした。天本さんがスペイン旅行で途中抜けたために、急遽、登場したレディMについては、石森先生のものと思われるデザイン画が確認できます。
 レディMを演じた湖条千秋は、元タカラジェンヌ。「電子戦隊デンジマン」では、ヘドリアン女王の侍女ミラーとケラーのケラーでした。もう一人のミラー役だった美川利江は元ミス日本。あんな、ちょいっとした役をそんなスゴい人らがやっていたのでした。マシンマンに変身する主役、佐久田修は「野菊の墓」で山口百恵の相手役をしていました。日本映画専門チャンネルの山口百恵特集で発見して、それほどのスター候補生だったのかとびっくりしました。

 品田冬樹さんが「着ぐるみ」というイヤな言葉の発祥は「宇宙船」だと言われたので、バックナンバーを読み返してきて、このVol.21で見つけました。昭和59年の夏休みに開催された第3回特撮大会の報告書。実行委員の座談会記録の形式です。発言者は松本茂実という人。「メカゴジラの着ぐるみを倉庫から降ろしているとき…云々」特撮ファンの交流の中で産まれた言葉でしょうか?とりあえず、ここが「着ぐるみ」が活字になった瞬間という暫定的な報告を上げておきます。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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