大海獣ゲボラ


「宇宙船Vol.10」(昭和57年5月)。大特集!マニアのための怪獣カタログ。
 これはひどい。マニアが見ても気持ちが悪くなってきます。ジャンクフードの闇鍋です。
 サンダーバード1号にからみつくイカのようなゴキブリのような怪獣。昔から日本にも出回っていた写真なのですが、本編には登場しません。実は当時のファンクラブの人が造って1号のプラモデルとからめただけの捏造怪獣でした。それが、いつしかオフィシャルなものになってしまったのです。

 日本怪獣で記憶遺産にとどめておきたいのは大海獣ゲボラ。ニッサンプロが「怪獣マリンコング」の前に企画していたもので、6話まで撮影されたというのですがフィルムが残っていません。また、造型物の写真も無いのです。
 ところが、不幸中の幸いというべきか、昭和34年の少年画報に番組宣伝のイラスト記事と漫画が掲載されていたのです。宇宙船に載っているのは誌面を撮影した小さい白黒写真なのですが、幸か不幸か平成13年に発行された「少年画報大全」にそのページがカラーで復刻されています。
 高荷義之画伯による麗画を模写しつつ、ゲボラの全貌をお伝えします。太平洋での原爆実験で怪獣化したヒトデです。一匹だけなら脅威ではないのですが、増殖して水産資源を食い尽くし、洋上を航行する船舶も襲撃します。しかも、陸にも上がってくるのです。その際は、這いずるのではなくパイラ人のごとく二足歩行します。
 もとがヒトデなので再生能力も強く、腕がちぎれてもすぐ生えてきます。スタップ細胞もびっくりです。初めに書くのをためらったのですが……原爆実験が行われた無人島の名前はカリン島でした……。

 VOL.10の掲載広告から、時代をながめて見ます。大阪桃谷にガイナクッスの前身になるSFショップ『ゼネラルプロダクツ』が開店します。店長は岡田斗司夫さん。この店に後に日本特撮の救世主となる樋口真嗣さんや庵野秀明さんらが集まってきました。大阪門真の模型店『海洋堂』にはアマチュアモデラーが集まって腕を磨きあっています。家庭用ビデオデッキの普及し始めたのもこの頃らしく『BRAST-VIDEO』という店がソフト一本700円で貸しますという広告を出しています。
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