仮面ライダースーパー1


「宇宙船」Vol.8(昭和56年11月)。特集1は「大魔神・巨大なる全貌」。全三作の物語と特撮場面を紹介。この名作を讃え、真価を問い直します。表紙も大魔神をロボットとして新解釈した開田裕治さんのイラストで、このアレンジもかっこいい。大魔神祭りのようなVol.8の第3特集が「さよなら仮面ライダー」。スーパー1最終回「地球よさらば!一也宇宙への旅立ち!!」が白黒ページにさびしく載っています。実際、スーパー1の終りかたはさびしいものでした。日本人宇宙飛行士がスペースシャトルで宇宙に飛び立とうとしているのに、見送りに来ているのは谷オートショップの店員とジュニアライダー隊だけ。総勢10人……金曜7時から土曜5時に時間帯を格下げされ、打ち切りになるシリーズを無量の寂寥感を背負って見送りました。
 富沢雅彦さんは、連載「特撮TV映画偏見記」で「仮面ライダー」に疑問を投げかけます。スーパー1・22話「怪人墓場の決闘!メガール将軍の最期」におけるメガール将軍のセリフ「スーパー1、お前は美しい」はシリーズのテーマに反するのではないかと書いておられます。メガール将軍は宇宙開発用改造人間に立候補するのですが、手術が失敗して醜悪な怪人になってしまいました。そして、成功作であるスーパー1の姿を妬んで言ったセリフです。しかし、本来仮面ライダーとは奇怪な顔でありながら、正義の心を持ったヒーローでした。それが定義でテーマでした。仮面ライダーが美の象徴になってよいのかというのが富沢さんの疑問で、いつの間にかテーマを変節させた仮面ライダーシリーズを肯定することはできないと断じます。特撮史的観点からすると、こういう真剣な批判がなされるようになったことに大きな意義があります。ただ、スーパー1の現場が見巧者の批評眼を意識していたかといえばさにあらず。映像表現を工夫する創作の場とは言い難い状況になっていました。最大の障碍は大野剣友会が監督よりも強い決定権を握っていたことです。
 富沢さんは硬直したライダーに失望する一方で、BFJから始まった戦隊のカルさに期待できそうだと、読者の視線を促します。事実、同時期のTVマガジンの人気アンケートでは、「ウルトラマン80」「仮面ライダースーパー1」を抑えて「太陽戦隊サンバルカン」が擡頭してきていました。

 この年、第一回アマチュア連合特撮大会が東京で開催されました。特撮ファンが自己認識を相互確認する場になりました。社会的認知は別として、特撮ファンという集団意識が誕生したのが昭和56年だったと言えると思います。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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