キカイダー01


「宇宙船」Vol.6(昭和56年5月)。巻頭カラー企画は'70年代TV特撮名作カタログと題して「人造人間キカイダー」「キカイダー01」「イナズマン」「イナズマンF」「変身忍者嵐」を取り上げます。50年代の映画に絶対的価値観を置いてきた「宇宙船」の方向転換かと思いながらも、石森ヒーローの代表であり1970年代の顔ともいうべき仮面ライダーシリーズが、すっくり抜けていることに不自然な観があります。仮面ライダーについてはファンタスティックコレクションを出しているので重複を避けたと解釈することもできますが、私は、宇宙船がSF専門誌としての見識を示したのだと思います。低級子供番組の代名詞「仮面ライダー」は、SFとも特撮とも呼べないと。また、読者側としても、いま、生まれつつある新たな研究分野“特撮”が幼年期の懐古であっては困る事情がありました。ギリギリの妥協点が「キカイダー」だったのです。
 Vol.6の作品研究は「スーパージャイアンツ」全9作。古いものについてはは迷いも屈託もありません。誰でも知っていて、上映会のプログラムに一本はさんでおくと鉄板でウケるスーパージャイアンツなのですが、リアルタイムに映画館で観た子供の感想を聞いたことがありません。竹内義和さんでもテレビで観たことしかなく、そのときにしても「かっこいい」とか「面白い」というよりも不可解な物を見せられているという思いが先行したそうです。
 なお、宇宙船は古い話ばっかり書かれている本ではなくて、新作映画の情報も載っています。季刊誌でなければ、むしろどこよりも早いくらいでした。今号には東宝の大作「連合艦隊」の取材レポートとか、「Conan」の製作が決定し、主役に新人アーノルド・シュワルツェンネガーが選ばれたという速報が入っています。

 特撮ファンをやっていると却ってわからなくなるのですが、ゴジラとガメラ、仮面ライダーとキカイダーには世間の認知度に懸隔の差があるようです。平成ガメラが好評をとったとき、ガメラ側の代理人徳間社長がゴジラとの対戦を提案したのですが、東宝の富山プロデューサーは断りました。事情通の人に聞いた話では、平成ガメラがヒットしたと言っても興行収入においてゴジラとは月とスッポンの差があり、ゴジラ対ガメラを作って収益を二分したら、東宝が損になるという計算があったそうです。去年キカイダー映画がありましたが、知名度に自信の無い宣伝部は「伝説のヒーローがよみがえる」というような謳い文句をつけました。特撮ファンがキカイダーを忘れたことは一日もありません。それを「伝説」と言う鈍感な無神経さがさびしかったのです。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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