怪獣王子


「宇宙船Vol.5」(昭和56年2月)TV映画SF特撮十番勝負と銘打って昭和40年代前半のTV作品が紹介されます。「マグマ大使」「赤影」「キャプテンウルトラ」「光速エスパー」「怪獣王子」「魔神バンダー」「悪魔くん」「ブースカ」「バンパイヤ」「河童の三平」。いずれも珠玉の作品だと思うのですが、昭和30年までに生まれた宇宙船の編集者や執筆者はこれらの番組を中学生の目で観ていました。実際、同じ時期に放映されていた「ウルトラマン」「ウルトラセブン」と比較すると、評価は冷静になってしまったことでしょう。第二特集は「海底軍艦」研究。竹内博さんと開田裕治さんが書いておられるのですが、こちらは興奮と熱気のこもった文章で思い入れの深さが伝わってきます。
 投稿欄を見るかぎり、購読者はだいたい中学生です。まったくの仮面ライダー世代なのですが、まだ発言権は許されていません。轟天号とか金星ガニだのを見せられて恭しく戴いてありがたがるだけ。宇宙船と読者の関係は師と弟子でした。

 Vol.2から載っている高山良策さんの日記が本当に面白い。今回は昭和41年10月から42年3月。アボラスとバニラからゼットンまで。誰が読んでも忙しそうなのはわかるのですが、現代の本職品田冬樹さんでも「考えられないペース」と驚嘆されていました。「ウルトラマン」だけでなく、「ブースカ」の仕事もちょこちょこ入ってきます。さらに、ここへ日本特撮の「怪獣王子」が割り込んでくるのです。日本特撮の社長大橋史典さんは画家だけでは生活できない高山さんに映画の人形や小道具を作る仕事を紹介した人。義理が絡んで断りきれません。京都で製作されていた「怪獣王子」が最初からトラブル続きだったことは御存知の通り。注文の要件も混乱し、高山さんのスケジュールもむちゃくちゃになりました。ついに昭和42年2月27日ぶち切れます。『成田氏より電話。38話の二大怪獣を一怪獣にしたが、また二怪獣になったので同じく3月10日までにサイゴもやってほしいとの事。おれを殺すつもりか!』
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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