ナショナルキッド


「宇宙船」Vol.4(昭和55年11月)。巻頭特集は「ジャイアントロボ」。作品の全貌と各話の詳細がわかる構成。関係者の記憶も鮮明でインタビュー録も貴重。ロボの演者土山登志幸の名は憶えておかなくてはなりません。あとで、小型(AB版)のファンタスティックコレクションも発売されるのですが、この特集の補足といったところ。
 第2特集は同じく東映特撮「ナショナルキッド」。これも全編のストーリーと登場する宇宙人、怪獣の写真が掲載されていて充実した内容。この番組が製作される背景となる、東映テレビプロと東映特撮課の沿革も辿られます。ナショナルキッドは吊りではなくワンショットプロセスという合成で飛んでいます。この技法について図解付きで解説されていますが、白黒フィルムでしか出来ないところが特撮ファンにとってミソです。重要な証言としては、スポンサーの松下電器からは会社の意向にあわないと毎回クレームがきていたようです。

 そして、この号で大々的に取り上げられている新番組が「Xボンバー」。「スターウォーズ」のような壮大な宇宙SFがやりたかったのですが、予算の都合で人形劇になったもので、特撮ファンでも記憶からこぼれがちなタイトルです。日本では視聴率が出なかったのですが、「サンダーバード」の国イギリスに輸出されて大喝采されたといいます。キャラクターデザインの永井豪先生は、インタビューで「サンダーバード」「スターウォーズ」を超える作品にしたいと意気込みを語られていました。「Xボンバー」のような手作業の極みの仕事を見ると、誰でも技術的感動をおぼえるのですが、なぜか現代のCGには感動しません。実際は1シーンを完成させるまで会社に泊まり込んで徹夜徹夜で作業をしています。苦労の報われない仕事です。しかし、「特撮の真骨頂は観客に気付かれないこと」という先人の金言もあります。CGプログラマーCGデザイナーの皆さん、もって瞑すべし。
 「Xボンバー」が宇宙船で再び取り上げられるのは、平成25年・Vol.140。バンダイビジュアルからDVDボックスが発売されるのにあわせて広告料をもらって組まれた提灯記事。「Xボンバー」の最終回までの物語と、特撮イベントの展示品として貸し出されたXボンバーが行方不明になったという末路が記されています。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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