SFモンスター


「マンガ少年別冊 すばらしき特撮映像の世界」(昭和54年・朝日ソノラマ)宇宙船発刊のきっかけとなった本です。私は創刊号の左に並べてVol.0にしています。ジョルジュ・メリエスから話しを始めているので、紹介される映画については、技術史的観点から意義のあるものが広く浅く選ばれているのですが、日本のテレビ作品についてはあえて珍品ばかりとりあげられています。「豹マン」「巨獣惑星」「魔神ガロン」「神州天馬侠」……そして「SFモンスター作戦」。私も長い間特撮ファンをやっていますが、じつにこの本でしか見たことがありません。昭和39年に日本電波映画で企画されたのですが製作に至らず、当然ながらフィルムもありません。大橋史典さんが造った4体の怪獣の写真が残っているだけです。今回は、その怪獣達を描いてみました。タコ型宇宙人の顔がやけに難しくて時間がかかりました。

 矢島信男、中野昭慶、高野宏一、佐川和夫の四人の特撮監督に、合成の中野稔さん、東映の平山亨プロデューサー、円谷プロの梅本正明部長を交えた、いまとなっては夢のような対談が記録されています。東映映画「宇宙からのメッセージ」がアメリカのアカデミー賞の候補にノミネートされたことに自信を持ち、日本特撮復権の道を確認しあいます。
「宇宙からのメッセージ」の特撮を担当し、対談の中で日本のエースとしての期待がかけられる矢島信男監督。仕事上での円谷英二との師弟関係は無かったのですが、終戦後の京都で出会っていました。東京に出てからの住所は矢島さんが中野、円谷英二は祖師谷なので、通勤電車が同じでした。渋谷で降りてガード下の焼き鳥屋で酒をのみながら聞かされた夢の話が、仕事の土台になっていると語ります。東映が特撮部門を作るからと矢島さんは松竹から引き抜かれました。行ってみると何も用意されていません。いまにして明かせる裏話として、苦しんでいる矢島さんを見て、円谷英二は東宝に内緒で特撮機材を貸してくれたというのです。「非常に立派な人だった」と言う矢島監督の感懐に世辞も誇張もありません。

 前回、開田裕治さんのかっこいい一言でしめましたが、この本にも「特撮キャラクター型録」という開田さんのイラストエッセイが掲載されています。その中の一節より…「宇宙大戦争を再見したらスターウォーズの戦闘シーンが色褪せて見えたのです」…愛国心がぶわっと沸いてしまいます。「すばらしき特撮映像の世界」この本を読めば誰でも特撮ファンにならずにいられません。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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