快傑ハリマオ


 子供のヒーローを特集した番組があって、ほんの数シーンを見ただけで好きになったのが、この快傑ハリマオです。理由は説明できませんが一目で魅せられたのです。小学生でした。そのころ、母屋を建て直しておりまして、通ってくる大工さんの一人で、いつも頭に手拭いを巻いてサングラスをしている若い方がおられ、その姿に私は、未だ全貌を知らぬヒーローの憧憬を重ねたりしました。家を建てる現場を見ていて強く印象に残ったのは、毎日毎日、母が酒屋で瓶ビールを1ケース買ってきて冷やしていたことでした。ファンタ1本なかなか飲めない我が家にそんな金があったのかと思ったのです。職人さん達は浴びるようにビールを飲んで、夕方になると軽トラや単車を運転して帰っていかれました。こんな慣習は最近の建築現場ではなくなったようです。さびしいとも思います。あと、昔でも、裕福な施主ほど、現場の昼休みにビール一本、ピーナッツ一袋差し入れなかったという話も聞いたことがあります。

「マレーの虎ハリマオ伝説」(新潮社)。平成元年に陣内孝則で撮られた映画「ハリマオ」のタネ本です。私の部屋の本棚にあって、その背表紙の題だけ見た父が「伝説やない、ほんまにおった人やぞ」と言ったのを思い出しました。著者の中野不二男さんは、軍人でもないのに死後靖国神社に祀られ、さらには月光仮面と同じカテゴリーに列せられた男の数奇な運命と人生に検証の限界を感じ、レトリックとして「伝説」という言葉を使ったのですが、親父の言うことはまったく正しくて、本来、実在人物や事実には用いません。金太郎が熊と相撲を取ったり鬼退治をしたことは作り話ですが、坂田金時がモデルであるので厳密には伝説と言いません。近年は成績を残して引退したスポーツ選手などに使われます。実は…特撮ヒーローさんが、この「伝説」を僭称したがるのです。今年の映画「キカイダーREBOOT」の宣伝文句にやたら「伝説の」と謳われていました。言語感覚が鈍いと思いました。
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ハヌマーン&さとる

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怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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