仮面ライダーブラック


「宇宙船Vol.38」つづき。10月4日より新番組「仮面ライダーBLACK」が始まるという速報と石ノ森先生のインタビューが載っています。漫画は週刊少年サンデーに9月から連載されていました。
 私のなかでは、いまでも「仮面ライダーBLACK」が仮面ライダーの決定版です。
 漫画版のブラックの外見はバッタの怪人でした。これがすごく良かったので、実写版のブラックを見たときはがっかりしました。バンダイ側が玩具として販売することを前提にデザインしたもので、面白味の薄い姿になっています。

 テレビ版「仮面ライダーBLACK」は、第1話「BLACK!変身」と第2話「怪人パーティ」は必見!あとはふつうの変身ヒーロー番組です。是非、読んでもらいたいのは少年サンデー版の「仮面ライダーBLACK」。単行本で全6巻。読み方としては、漫画として眺めるのではなく頭の中で実写に変換して下さい。ものすごく壮大な映像が見えてきます。
 こう言うと、石ノ森漫画、敷衍して表現ジャンルとしての漫画の独立性を否定するかのようですが、決してそうではありません。「仮面ライダー(スカイ)」の企画が進行していた昭和54年。石森章太郎先生は、月刊少年マガジン8月号に絵コンテ漫画「仮面ライダー」という100ページの読切り作品を発表されています。シナリオと漫画と絵コンテで構成されていて、漫画としては読みにくいスタイルなのですが、最後に「読者のみなさんのイマジネーションでこれを2時間の映画にしてください」と課題をつきつけられます。この絵コンテ漫画「仮面ライダー」と「仮面ライダーBLACK」、「真仮面ライダー」が石ノ森先生の考えておられた仮面ライダーではないかと思います。

 仮面ライダーはメカ系とバイオ系に分けられますが、私の好みはアマゾン、ブラックのバイオ系ライダーです。お盆に墓参りに帰ったら、十年くらい前に改造手術を受けて足に人工関節を入れた母が、このごろ痛いとぼやいていました。やっぱり人工臓器とか人工骨格のようなメカを入れてみても人間は強くなれないと再認識しました。
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シャドームーン


「仮面ライダーアートコレクション」は見飽きない本です。一度ひらくと時間を忘れて見入ってしまいます。試行錯誤の跡をたどっていると再現ドラマが見えてくるのです。
 昭和の末、日本経済盛んなりし頃、あの仮面ライダーをまた甦らせようとする企画が動き出しました。石ノ森先生は、やるならば原点のさらに先のバッタ男にしたいと言います。假の名は仮面ライダー0号。仮面ライダー1号以上にバッタに近い姿を提案しました。これを受けてバンダイは玩具的にデザインを直します。新機軸としては悪のライダーを登場させることになりました。ダークシャドゥと名付けられ、緑色の0号を黒く塗りかえてみます。すると、これがかっこよかったのでした。むしろ、こっちを主人公にしようということになりました。すなわち仮面ライダーブラックです。悪のライダーのデザインが消えてしまうのですが、ハカイダーのようにシリーズ終盤に登場させる予定なので、未定のまま番組はスタートします。

 ところが、悪のライダー。シャドームーンという名前だけは発表されるのですが、デザインがなかなか決まりません。何枚も何枚も描かれるのですが、決定に至りません。もたついているうちに次の番組の準備が始まってしまいます。シャドームーンのNG稿にも捨て難いものが多くあり、それらは後番組のバイオライダー、ロボライダーに流用されます。そして、難産のはてにシャドームーンは誕生するのですが、ブラックがブラックRXに進化したのですから、こちらも進化する必然性があります。苦闘のアートワークは終りません。結果的に進化型シャドームーンは産み出すことができなくて、続編「BlackRX」にはそのままの姿で再登場します。デスガロンとクロイゼルはシャドームーン進化案のNG稿で怪人として登場したものです。
 シャドームーンのデザインに石ノ森先生の意向は反映されていません。原作漫画のシャドームーンはブラックサンと同じ姿の黒いバッタ男です。卵から出てくる怪人がロボットのような人工的な外見をとるはずがありません。造型物が出来上がった後も、細部の修正が続けられました。妥協の無い仕事を讃えることに吝かではないのですが、同時期に登場したロボコップの影響が見えます。
プロフィール

ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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