バラン


 前回、別冊宝島をけなしてしまいましたので、今回から宝島の良い本を取り上げていきます。まずは「映画宝島 怪獣学・入門!」平成4年JICC出版局。美術史から観たウルトラ怪獣、民俗学から検証するバランとラドン、政治、文学、宗教、伝統芸能、はては幼児保育まで、それぞれの分野の専門家が怪獣映画と怪獣について徹底的に解読します。そこから見えてくるものは日本人の深層心理です。この民族は何かという問題につきあたります。ゴジラが生まれた直截のきっかけは、子供から老人まで全国民が総力を結集した全滅的戦争の体験だったのですが、そこにいたるまでには二千六百年かかって培われた民族意識があります。怪獣映画、怪獣ドラマは日本人の集団無意識が投影されたものと書いてある本です。あらためて読み直しましたが、興奮を喚起する評論集です。そして、「怪獣学入門」と20年後に書かれた「特撮ニッポン」の懸隔の差に、怪獣愛好者として背筋が寒くなるのです。

 なお「怪獣学入門」は、その前書きで、前年、テレビで話題にされベストセラーになった「ウルトラマン研究序説」を、書き方が浅薄で傲慢だと否定しています。そして、さらに前二冊にたいして、「ウルトラマンで法律や科学が勉強できるわけないやん」「戦後の政治闘争と怪獣番組をこじつけてどないする」という態度で出版されるのが「怪獣VOW」だったのでした。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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