クルマニクラス


「宇宙船Vol.14」(昭和58年5月)この年の3月にバンダイとポピーが合併しました。そして、バンダイ・ポピー事業部からリアルホビーシリーズが発売されます。在野のモデラーによる怪獣フィギュアを原型としてメーカーで量産する企画です。これに宇宙船が協力しました。造型師の紹介と推薦、資料の提供、そして広告。なによりも、発想の始点が宇宙船のコンテンツでした。ラインナップは、バルタン星人、ガメラ、ウルトラマン、大魔神、レッドキング、ゴジラ、メカゴジラ、キングギドラ。価格は2500円〜4000円。レッドキングとメカゴジラは発売されませんでした。
 怪獣人形がリアルになることは、進化なのですが、怪獣ファンが自分で怪獣を造る理由が一つ無くなりました。市販の怪獣ソフビは子供向けなので安全性と耐久性を重視してディティールがあまくなります。それが不満で我々は自分で怪獣を造っていたのです。井上雅夫さんのリアルなゴジラが4000円で買えるなら、自分で原型造って型取りして彩色して何倍ものお金と時間を使う必要が無いのです……いや、違う!それでもフィギュアは買って集めるものではなくて自分で造るものだ!

「高山良策怪獣製作日記」は昭和46年4月14日から8月13日まで。おもにスペクトルマン怪獣なのですが、ゴキブリ怪獣ゴキドンとか視聴率怪獣パクラーといったPR怪獣のぬいぐるみ製作の依頼も受けています。
 クルマニクラスを描こうと思って本編23、24話を見直しました。(この時期の番組名は「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」)子供が交通事故に遭います。一命はとりとめたものの昏睡状態になりました。その無意識が父親手製の怪獣人形に取り憑いて自動車を襲うようになります。その出自、出現理由にものすごい説得力があって疑問をはさむ隙がありません。これぞ怪獣ドラマという作りです。怪獣に絶対的な価値をおいてストーリーが展開します。

 岸田森が昭和57年12月28日に逝去。Vol.13で間にあわなかったようで、この号に追悼記事が載っています。前号の東映まんがまつり特集に対する読者の返し。観たことあるのは立体映画「飛び出す人造人間キカイダー」だけ。感想は眼が疲れたこと。リアルで貴重な証言です。子供時代に一度だけ、親の気分で連れて行かれて疲れて帰ってくるもの。それが東映まんがまつりでした。
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モグネチュードン


「宇宙船」Vol.13(昭和58年2月)。巻頭カラーページで東映まんがまつり「仮面ライダー対ショッカー」「飛び出す人造人間キカイダー」「ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー」がフィルムストーリーの形式で紹介されています。いまでこそ、ツタヤの棚にたいがい並んでいますが、こういう駄菓子ムービーはその年に映画館へ行かなければ永遠に観ることのかなわない珍品だったのです。実際、観た人は限られていたのではないかと思います。「仮面ライダー対ショッカー」が観たいと言われて、その要求に安易に応じる親は、よほど教育に無関心です。それ以前の東映まんがまつりでは「安寿と厨子王」とか「家なき子」を題材にした良心的教育的なアニメ作品が手間ひまかけて作られていました。どんな子供が観たがるのだろう?と思っていたら、文部省推薦で学校から引率されて行ったのだという話を聞きました。しかし、時間とお金をかけた長編漫画映画よりも、その前座に映す「ゴーゴー仮面ライダー」みたいな安易なフィルムのほうが子供の反応が良くて、東映は翌年から方針を転換します。小学校から来られても割引率が大きくて儲けにならなかったのでしょう。これも「仮面ライダー」の罪の一つです。高畑勲さんとか宮崎駿さんは東映動画をやめました。

「高山良策怪獣製作日記」再開。時代は第二次怪獣ブームの頃。さらに忙しくなったのか家族や身辺、あるいは世相についての記録は少なくなります。
 ツインテールと形態の発想が同じモグネチュードンについて。ツインテールがあまりに有名なのでモグネチュードンが後発なのだと思っていたら、テレビに登場したのはツインテールが昭和46年4月30日。モグネチュードンは4月10日。なんとツインテールの方が後塵を拝していたのでした。しかし、この二体の怪獣の形態の如く事実は二転三転します。高山さんがツインテールの準備を始めるのは昭和45年2月10日。2月21日に一旦納品されるのですが、修理や手直しで3月26日までツインテールに関わっています。一方モグネチュードンの製作期間は3月9日から3月25日まで。同時進行で造られていた怪獣は、他にネオヘドロンとグドンとステゴン(!)これは忙しい!高山さんが日記をつけていなかったら、永遠にわからなくなるところでした。なお、モグネチュードンのデザインは高山良策さんです。第一案は顔が一つなのですが、第二案でこの形態になりました。ツインテールは池谷仙克さん。

 スピルバーグが「現在の若いフィルムメーカーには文学的基盤が缺けている」という不満をもらしたことを受けて、菊池秀行さん、間宮尚彦さん、聖咲奇さんの連名で「文字世界から視覚世界へ」という連載が始まります。もっと本を読みましょうという提言です。

スペクトルマン


「原色怪獣怪人大百科」昭和46年勁文社刊。これも伊丹グリーン劇場の特撮大会のオークションで入手しました。当時物のソフビや映画ポスターにはとんでもない高値がつきますが、本なら私でも手が出ます。本と書きましたが、これは綴じられておらず、シートの表裏にカードのように16体の怪獣怪人の写真と解説が印刷されていて、折りたたんで箱の中に入っています。これが意外と見やすいのです。怪獣の絵を描いたりするときでもページを開いて押さえておく必要がありません。ゴジラから、放映中の「スペクトルマン」「帰ってきたウルトラマン」「仮面ライダー」「ミラーマン」の怪獣怪人がおさめられています。

 注目したいのは、ウルトラマンと帰ってきたウルトラマン、そして、仮面ライダー1号と2号をわけていないことです。放送当時の意識を知る資料になります。また、画面で確認できないミミー星人等も絵で載っています。このミミー星人の絵は、のちの同社刊「全怪獣怪人大百科」にひきつがれます。怪獣の広辞苑とも言うべき「全怪獣怪人大百科」。はじめのうちは「マジンガーZ」などのアニメも網羅していました。しかし、年々版を重ねるうちに当然のことながら数が増えるので、実写作品限定になりました。それでも対処できなくなり、ウルトラマンシリーズと仮面ライダーシリーズの怪獣怪人が割愛されます。私は昭和60年度版まで確認しています。その後、平成2年に豪華本「全怪獣怪人」上巻下巻が出ました。この辺で打ち止めになったと思われます。
プロフィール

ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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