ガシャドクロ


「宇宙船」Vol.67(平成6年2月)。新番組「忍者戦隊カクレンジャー」。戦隊シリーズはこの頃からものすごく楽しくなっていったような気がします。装備品の名称も“ドロンチェンジャー”とか“シノビナックル”など、言葉遊びが入ってきます。シノビナックルで殴られると痛さに絶叫もできず、クククッと泣いてしまうのです。『カクレンジャー』という語感もすごく良い。

 忍者が妖怪退治の旅をする物語。特撮ヒーローですぐ思いつくのは「快傑ライオン丸」「牛若小太郎」…いや、その伝統はもっと古く、エノケンさんとか目玉の松ちゃんにたどりつくのでしょう。我が国において忍者映画の歴史は活動写真の黎明と同時に始まりました。
 もちろん、古いという評価で「カクレンジャー」はおわりません。まず、その妖怪デザインが斬新でした。スナカケババアは俗臭たっぷりの若造りのおばはん。カッパは、自分の価値観で生きているけど軽薄にしか見えないヤツ。トッピな意匠でありながら怪獣や怪人とは違う、人間社会の不快感を反映し体現した妖怪なのです。水木しげる先生によって確立された固定観念からの脱却は「超神ビビューン」「グルグルメダマン」などの作品で試みられてきましたが、「カクレンジャー」においてようやく成し遂げることができました。以後に作られる「仮面ライダー響鬼」「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の妖怪は「カクレンジャー」をハードルとすることになります。

 「カクレンジャー」の画期的妖怪群で私が一番感動したのは、イッタンモメンです。一枚の布という条件を堅持し、鬼太郎一家の機動力という特性を継承しつつ、ぬいぐるみにして人を入れて格闘アクションもこなせます。それでいて、ピッケルシャークくらいにカッコいい!デザインは篠原保さん。今回の画題に選びかけたのですが、ちょっと尻ゴミしてしまいました。今回のイラストはエンケンさんです。

 しかし、それでも私が「カクレンジャー」を楽しみきれなかったのは、やっぱり巨大ロボットです。あれの値段は不明ですが、戦闘機と軍艦の中間をとって500億円と仮定します。年間維持費は安く計算しても100億円はかかるでしょう。そんなロボットを、五人が一人三台づつも持っていたのです!
 この番組においてはお金のことが気になるのです。防衛予算を割り当てられる戦隊ではなく自活していました。猫バスが一台あり、これで宿泊し、移動し、こなもん屋が出来るように改造していました。その仮設店舗の売り上げが収入源です。そんな、子供の小遣いをまき上げたくらいの資金で一艦隊ほどの戦力が保持できるとは考えられません……え?あれはロボットに見えるけど、実は生き物ですって?昔の忍者が使っていた大ガマや大蛇みたいなもん?
 戦隊シリーズは、この頃からついていけなくなりました……。
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プロフィール

ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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