グリッドマン


 今年も「宇宙船」の続きから。Vol.63(平成5年2月)。特報!円谷プロから久々の新ヒーロー登場「電光超人グリッドマン」。三人の中学生がお小遣いでジャンクパーツをちょっとずつ集めてきて、秘密の隠れ家でコンピューターを組み上げてゆきます。モニター画面に現れたのがグリッドマン。コンピューターワールドを荒す怪獣と戦うために、三人に協力を要請してきました……拒絶反応を起こしそうな状況設定ですが、これが面白かったのです。対象年齢は小学校低学年ということで、私にはちょうどです。保育園児をターゲットにした戦隊シリーズは幼稚と感じることがあります。
 放送はTBS系。それならば、ウルトラマングリッドと名のったほうが商品展開が有利になろうと思うのですが、スポンサーが提示した予算では“ウルトラ”を冠せるスケールの作品は出来ないとして、別のシリーズにしたのです。この頃の円谷プロにはガンコさが残っています。近年の「ウルトラマンギンガ」などはスケールの小さい話で、「グリッドマン」より安く作られているような気がしました。
 また「グリッドマン」を担当されたときの佐川和夫さんの肩書きは“特撮監督”です。“特技監督”の称号は円谷英二だけの諡號にしようという円谷プロ社内の約束があると聞いたことがあります。ところが、近年の円谷プロ作品のクレジットを見ていますと“特技監督”になっていたりします。円谷プロはガンコさを忘れてしまったのではないか?

 同時期の他の新番組を見てみます。
「特捜ロボ ジャンパーソン」。あいかわらず作られ続けていたロボコップの亜流です。敢えて特徴を言うなら、主人公が完全にロボットで人間の姿になりません。代わりに敵が人間でした。知能が高くて性格は異常というやつらです。私は「バットマン」からの影響を見ます。証拠の一つとして前作「特捜エクシードラフト」で正木俊介(宮内洋)が帰国する回のサブタイトルが「バットマンリターンズ」をもじった「正木リターンズ」。影響されるのがす早くて露骨です。
 前回取り上げた「8マン すべての寂しい夜のために」もバットマンを意識していた部分があります。後日談として作られたビデオアニメ「8マンアフター」はゴッサムシティー風の街が活動の舞台でした。

「五星戦隊ダイレンジャー」。天火星リュウレンジャー、天幻星シシレンジャー、天重星テンマレンジャー、天時星キリンレンジャー、天風星ホウオウレンジャー。水滸伝をもじった戦隊です。

 水滸伝で一つ思い出しました。「ひきゅう」(ことえりに漢字が無かったので作字しました。上のイラストを参照して下さい。)という語が出てきたので調べたら、戦争に使う猛獣と説明されていました。ただし、水滸伝に、あるいはもっと古い三國志にも戦争で猛獣を使う場面はありません。直截的なイメージは絵物語の「少年ケニヤ」とか「冒険ダン吉」です……が、ふと思ったのは「ウルトラセブン」の宇宙人です。彼らがときに地球侵略の尖兵として送り込んでくる怪獣こそ「ひきゅう」と呼ぶべきではないのか。いや、セブン自身が使うカプセル怪獣も、本当はカプセルひきゅうと称されるべきではないのか。生態を把握して飼いならしているのですから“怪しい獣”ではありません。コレ誰かに言わなと思ってそれっきりにしていました。日常会話に「カプセル怪獣」という単語が出てこなかったのです。なお、シャプレー星人が連れてきたギラドラスの使用目的は掘削ですから、これは家畜でしょう。

「有言実行三姉妹シュシュトリアン」。東映不思議コメディー最終作。シリーズ終了の理由は「美少女戦士セーラームーン」の大ヒットで、東映としてもバンダイとしても実写魔法少女を作る必要性が見出せなくなったからでした。しかし、「美少女戦士セーラームーン」は、こちらのシリーズ「美少女仮面ポワトリン」をもじったものではないでしょうか?盗作というほどのうしろめたさも無く、もしくは作家的使命感に突き動かされたというわけでもなく、少女漫画家武内直子さんが、器用な小手先でチャカチャカッと描いたものが社会現象になったというのが真相ではないかと見ているのですが……。

 そのほかにも、映画「仮面ライダーZO」「ゴジラvsメカゴジラ」、テレビドラマ「私が愛したウルトラセブン」「西遊記」(孫悟空=本木雅弘)など、Vol.63は新作情報で紙面が埋め尽くされている観があります。これらの作品はまたの機会に取り上げます。
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ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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