マリーキック


メガロマンの話は前回、あるいは前々回で終っているはずだったのですが、マリファンという方に、ローズマリーが黒星族と戦っている場面のイラストが欲しいというリクエストをいただきました。怪獣ハウスとしては、ローズマリーのイラストをもう一枚描き加えることに意義を見出せなかったのですが、続いて木戸健吾さんから「私からもお願いします」と、オトコ気に満ちた援護射撃。私もこれでなかなかオトコ気のあるやつですから、侠気には侠気で応えることにしました。与えられた画題通り、ローズマリーが黒星族を蹴り上げているの圖です。ロゼッタ星より男気を込めてマリファンさんと木戸健吾さんに捧げます。この方々が前回のイラストに寄せられたコメントも読んで下さい。いまなお、メガロマンを忘れない人がいるのです!至高のエンターティナー藤山寛美が強行したリクエスト狂言のひそみにならって、私も「リクエスト特撮イラスト」を演目に追加しようかとも思っています。

 それにしても…メガロマンに関しては言い尽くしました。もう書くことがありません…駅のホームで、都会に出て行く同級生を、田舎に左遷される上司を、もしくは出征する兵士を、はたまた「東京で見る雪はこれが最後」と寂しげに笑う君と、握手して、万歳して、涙を流したと思ったら、名残り雪が思わぬドカ雪になって、よもやの遅延。運転再開までの時間をどうやってもたせたらよいかという状況に似た心境です。今度こそ、さよならメガロマン!さよならローズマリー‼
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ローズマリー


 メガロマンの話は前回で終るつもりだったのですが、なんとなくメガロマンがもう一度観たくなりました。十数年前、CSで放送されたものを録画したビデオテープを再生するため、日本橋へ行き、ポンコツデッキを買ってきました。5900円でした。
 まだ最初の数話しか観ていませんが、ひとつ分かったことがあります。メガロマンといえば、あのお母さんが印象に残っていると思ったら、それどころか、お母さんこそが物語の中心だったのです。ロゼッタ星へ飛んできた宇宙飛行士獅子堂剛(川津祐介)と結婚し、ふたごの子供たかし・ひろしを産んだことが全ての始まりです。対立する部族“黒星族”との争いに敗れ、夫は殺され、ふたごの片方ひろしを奪われ、自分はたかしを連れて地球へ亡命しました。なお、こっちの部族名は“たてがみ族”です。
 黒星族総統に育てられたひろしは、キャプテンダガーと名を変え、怪獣軍団を率いて地球に攻撃を仕掛けてきます。お母さんは、たかしをメガロマンにしてこれを迎え撃つのです。地球で成長したたかしは、自分がメガロマンに変身する理由や、その能力を知りません。戦闘が始まると、エプロンにカーディガンの普通のお母さんから、このイラストのようなコスチュームにチェンジし、セコンドのように口うるさく指示を飛ばします。(最も有名なお母さんウルトラの母でも、ここまで口出ししません。)このコスチュームは戦闘服というより民族衣裳だと思って下さい。結婚式に親類のばあさんがたが留袖でずらっと居並ぶ感覚です。一族の一大事に際して覚悟を示す、あるいは覚悟を促す正装なのです。
 たてがみ族の男子の使命は戦争。その母親の役割は息子を強い戦士に育て上げること。お母さんは、たかしを地球の拳法家の道場に預け、ひたすら武技を鍛錬させてきました。我が子を怪獣の前に立たせることに躊躇のないこの母親を鬼とは呼ぶなかれ。この母は“たてがみ族”なのです。

 ここで唐突に好き!好き‼魔女先生こと月ひかる先生の名前を出します。5900円のデッキを買ったついでに「好き!好き‼魔女先生」のテープも回したのです。ソラリスの時間さんの記事を読んで、なんとなくこっちも観たくなったのです。その第4話の授業中、黒板に世界地図を掲示した月先生は、「国境があるのは地球だけです。アンドロメダ星雲アルファー星ならアルファー人。M78星雲ウルトラ星ならウルトラ人。もし、宇宙人に何人かと訊かれたら日本人ではなく地球人と答えましょう」と言います。その壮大な気宇や良しと讃えたいところですが、人類が地球の各地でどれほど多彩な習俗信条を固持して生きているか把握されているのでしょうか?日本の常識では理解できない部族民族が生活しています。アイルランドの人はイギリスへの帰属意識は希薄だし、そのイギリスもヨーロッパ連合から離脱しつつあります。EUの利益よりも由緒あるフィッツジェラルド家の門閥が優先するのです。日本の小学生と同じ意識で地球人という感覚は無いと思います。
 アイルランドの歴史にくらべれば日本史は単調ですが、2677年125代の皇統を辿れば語り尽くせるものでもありません。諏訪の御柱祭などは、神道が成立する前の縄文時代に起源を持つと言われています。パンチ一発で伝統の野球部が廃部になるような現代に、死人がいくら出ても断絶しない行事があること。人命より一本の木が大切な町があること。同じ日本人でも理解し難いのですが、これは重要なことなのです。大樹を神とする原始宗教は世界中にあったのですが、キリスト教によって禁止されたのです。遺物が残っているのに、そんな信仰は無かったこととされ歴史から消されたのです。「好き!好き‼魔女先生」第4話の脚本市川森一さんはキリスト教徒でした。月先生が日教組の組合員だとしたら背後に共産思想があります。
 キリスト教や共産党の一元論で地球が統一されたとしたら、人間の自由や部族の信仰は奪われ過去の歴史は書き換えられます。おそらく数百人の特権階級によって何十億の人々が支配される世界になります。私は拒絶します。(月先生が例に挙げたウルトラ人は統一されても戦争ばかり続けているではないか!)自分が何者かと考えるときは、日本人もしくは、もっと小さい単位で規定しておいたほうがよいと思います。

 メガロマンのお母さんは、地球では獅子堂マリの通名で暮らしていますが、ロゼッタ星人としての本名はローズマリーでした。ドラマの中で呼ばれることもないし、本人も名のることがなかったので知らなかったのですが「カード図鑑メガロマン」を手に入れて判明しました。このビデオテープを見終わったら、もう二度と再び「メガロマン」を通して観る機会は無い気がします。さらばメガロマン!さらばローズマリー!たてがみ族に栄光あれかし!

メガロマン


 谷町筋に立った身長150mのメガロマンを天王寺公園から見上げたら、だいたいこんな感じではなかろうかという妄想図です。逆に、メガロマンの視点を体感したいなら、背後にそびえる、あべのハルカスの29階あたりにあがって窓の外を見て下さい……えっ、そんなことよりメガロマンの姿が違うって。よくぞ聞いて下さいました。ここに謎の超人メガロマン、その最大の謎、すなわちメガロマン七不思議その七を提示して完結編にします。
 話は長くなります。母が手術した病院の待合室で無作為に手にした小学館少年サンデーコミックス「なんか妖かい⁉」第6巻(原作・きむらはじめ/作画・里見桂)。この漫画の中の一話にメガロマンが出てくるのです。奥付を見ると、単行本の発行は昭和59年1月15日。収録分は週刊少年サンデー昭和58年16号より同年24号まで。「メガロマン」の掲載誌はてれびくんだったので小学館に版権はあるのですが、放送終了後4年も経っています。この時間差がメガロマン七不思議その五です。
 この回のあらすじ。主人公が怪獣特撮でカマギドンのぬいぐるみに入るアルバイトをするのですが、監督に「怪獣になりきれていない」と怒られます。悩む主人公を見かねたヒロインがぬいぐるみに妖力を加えましたところ、効き過ぎてカマギドンが制御不能の大暴れ!仕方がないのでメガロマンが出ていき真剣勝負。結果的に大傑作映像が撮れたというオチ。
 ここでメガロマン七不思議のその六は、メガロマンが、メガロンブレスレット等いくつかの特徴を残しながらもイラストのように姿が変っているのに対して、カマギドンがテレビに登場したそのままの姿に正確に描かれていることです。

 ずっと解明できない謎です。なお、カマギドンは私の知るかぎり、テレビ本編に登場したのとは違う姿のものが二種あります。別のぬいぐるみなのか改造なのかはわかりません。「帰ってきたウルトラマン」第一話登場怪獣アーストロンとタッコングのぬいぐるみが造り直されたように、何も考えていないようなメガロマン怪獣も、第一話登場怪獣カマギドンについては慎重に検討されていたのです。

 この少年サンデーコミックス巻末の広告で、昭和59年当時の池上遼一師の仕事がわかります。「男組」「男大空」を描き終えられて「星雲児」を連載中。宇宙SFでした。池上先生の作品を捜してきて貸し合いをしていた友達がいたのですが、「星雲児」については、あまり面白くないという感想で一致したことを憶えています。師の資質が宇宙SFに合わないのか、それとも漫画という表現ジャンルが、意外や、宇宙SFと相性が悪いのかも知れないという話をしました。

ゾンビロン


「メガロマン」のつづきで、今回は怪獣について書こうと思います。この作品の商標©は、じん・男組・東宝です。じんプロというのは、この後「Xボンバー」を制作する会社で、「宇宙船」Vol.4(昭和55年4月発行)に代表の池田公雄さんの写真が載っています。謹厳篤実そうな方で、写真から拝察する年齢から見て、軍役にも就いておられた世代だと思います。こんな方がどうして怪獣番組を作ろうとされたのかが、メガロマン七不思議のその三です。おそらく、それまでの怪獣ブームには関わっておられなかったのでしょう。怪獣特撮が結局もうからないことを御存知ではないようです。
 男組は、原作の雁屋哲さんの名義と思って間違いありません。同時期。池上遼一先生と少年サンデーに「男組」を連載されていました。池上遼一先生と書き流しましたが、池上先生こそ私の最も尊敬する漫画家さんでした。先生の生原稿を見せていただいたこともありました。池上先生のアシスタントになりたいなと考えたこともありましたが、この原稿を私の手垢で穢してはならないと、ついに言い出すことができませんでした。……そういえば、このことは友達にも家族にも言ったことがありませんでした。「たけし軍団に入りたい」「プロレスラーになりたい」「修学旅行を抜け出して北島三郎に弟子入りしたい」といった話の流れで「池上遼一のアシスタントになりたい」くらいのこと言ってもよかったものを…。
 そして、東宝。東宝の怪獣ドラマといわれてすぐ思いつくのが「流星人間ゾーン」と「行け!ゴッドマン」ですが、メガロマン怪獣も、この二作と共通するテイストがあります。ゾーン怪獣(恐獣)を軽量化し、ゴッドマン怪獣の“イヤな感じ”を加味したのがメガロマン怪獣の味わいです。「カード図鑑メガロマン」から三枚選んで紹介します。

 左から、シャークロン。サメがモチーフだと言うのですが、テレスドンに角をつけただけにしか見えません。背景から切り抜かれているのでわからないのですが、実物はテレスドンと同様しっぽがあります。なぜ背景が切り抜かれているかといえば、ぬいぐるみ完成直後、開米プロの敷地で撮影されたもので、納入用の軽トラ等が写り込んでいたりするからです。特撮ファンとしては、そっちの方がありがたいのですが、子供向け出版物なので夢を壊さない配慮がなされています。
 その隣がレザックス。汚物の塊にしか見えません。「怪獣」という字義には不快感とか嫌悪感が包摂されているのかも知れませんが、それでも疑問の多い姿です。
 その右がパラボラン。名前から察して機械的な外見にしたかったのだと思われますが、ぬいぐるみの作りが粗いので、無機質さを表現できていません。写真のトリミングが微妙に変なのは、おそらくホリゾントが切れて照明機材が入っていたからだと考えられます。
 今回のイラストに選んだのが、ゾンビロン。映りの悪いテレビで見たときびっくりしました。素っ裸に墨を塗って出てきたのかと思ったのでした。ナマハゲ以下、これを怪獣として見ろというのか?!しかし、安心してください。メガロマンカードのスチール写真でよく見たら黒いタイツを着ていました。ただし、このゾンビロン、スイドラスの牙等を付け替えて改造され、ザターンという別の怪獣として再使用されます。メガロマン七不思議のその四は、東宝という怪獣界の成田屋宗家の商標を冠しながら、どうして怪獣がこうも残念なのかということです。

 しかし、ことわっておきます。世に女好きと呼ばれる人が容姿や年齢を価値基準にしていないように、怪獣好きは、ぬいぐるみの出来映えやデザインがまずいほど愛着をそそられるのです。そのうち、史上最低の怪獣群、ゴッドマン怪獣の特集をやりたいとも思っています。    つづく

カマギドン


 ウルトラマンがアニメになり、ガンダムがスタートした特撮大ピンチの昭和54年。忘れてはならない怪獣番組がありました。思い出さなかったら忘れそうになる怪獣ドラマ「メガロマン」。今回のお題は「カード図鑑 メガロマン」(昭和54年・朝日ソノラマ)。私の好きなブログ「ソラリスの時間」に出ていた一枚の写真をたよりに四天王寺の古物市を探して手に入れました。貼り函こそ無くなっているもののカードは全部そろっています。メガロマン怪獣のディテールがわかるスチール写真は貴重です。値段を尋ねたら4000円と言われました。店主が女の人だったので、あまく見て話したら、「メガロマン」の概要を把握されていました。そうなると怪獣好き相手に4000円は高くもなく安くもありません。むこうの方が一枚上手でした。
 アニメブームの反作用のように、日本特撮を再評価する動きが昭和53年頃に起こったのですが、思えばそれはゴジラとウルトラマンの復活を待望する活動でした。時代の空気を読み切れずに登場したメガロマンは、目論んだよりも歓迎されなかったのでした。手持ちの資料も本当に少ないので、私のメガロマン観を書いてお茶を濁しておきます。
 おそらくテレビ先行企画だと考えられますが、原作が雁屋哲さんになっています。少年サンデーに「男組」を書かれていた頃なのでしょうか、この時期の雁屋哲さんは料理より拳法に興味があったようです。メガロマンも宇宙拳法で戦います。そうなると宇宙空手のウルトラマンレオと対決させたくなりますが、レオの身長は52m。メガロマンはなんと150m!試合が成立しません。
 メガロマンに変身するのは地球人の父とロゼッタ星人の母の間に生まれた獅子堂たかし。演じるのは北詰優基という俳優なのですが、ものすごい美男子です。キムタクよりかっこいい。これほどの人がなぜ有名にならなかったのかがメガロマン七不思議その一です。ふたごの弟・ひろしももちろん北詰優基が演じています。獅子堂たかし・ひろし…大金持ちのおぼっちゃんみたいな名前です(すまんのう〜)。
 ヒロインとして十代の娘が存在し、アクションもこなして活躍するのですが、それよりも、獅子堂たかしのお母さんの方が断然魅力的なのです。宇宙人という設定に負けない美女なのでした。メガロマン七不思議その二は、なぜ若いヒロインより圧倒的にお母さんに魅かれるのかということでした。「カード図鑑 メガロマン」にも単体カードが二枚あります。なお、お父さんは川津祐介。他に、穂積ぺぺ、黒部進がレギュラーで出ています。黒部の役はベーロックという悪者。名前を逆さにしています。

 このブログのどこかで、私が思う一番かっこいい主題歌は「宇宙の騎士テッカマン」だと書きましたが、エンディングで一番かっこいいのはメガロマン「我が心のロゼッタ星」だと思い続けています。     つづく
プロフィール

ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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