モロボシダン


 ウルトラマンタイガ第11話「星の魔法が消えた午後」に懐かしい人が出ていました。平成ウルトラセブンでサトミ隊員役だった鵜川薫。アメリカ生まれのセルロイドみたいな印象の強い顔で記憶に残っていました。この回に出てきた怪獣もパゴスとギマイラ。知っている人ばかりで安心して観れました。え?パゴスなら知っているけどギマイラは知らない…そんなことはないはずです。「ウルトラマン」の主題歌のシルエットにもなっていたアイツです。

 そういうことで、「宇宙船」Vol.83(平成9年3月)より、平成ウルトラセブン。テレビ番組ではなくオリジナルビデオです。「ウルトラセブン」の世界観だけを引き継いでおり、ほかのウルトラマンは登場しません。「レオ」でMACの隊長をしていたことすら無かったことにされます。ウルトラセブンファンは、この設定に何の違和感も無かったし、むしろ歓迎しました。
 しかし、裏にはややこしい事情があったのです。

 平成5年。上海中央電視台で「ウルトラマン(奥特曼)」が放映されると、共産党が警戒するくらいの大人気になりました。
 大陸に巨大市場を掘り当てたと喜んでいた平成7年、円谷皐社長が亡くなります。すると、タイのチャイヨープロダクションが訴えてきました。昭和49年、映画「白猿ハヌマーン&ウルトラ6兄弟」を日タイ合作で作った会社です。亡くなる前に円谷皐社長と、ウルトラマンシリーズの海外での版権を独占する契約を結んでいたと言うのです。

 裁判はもめて長引きました。必ずしも円谷プロが有利とはいえない旗色でした。「ウルトラマンティガ」がM78星雲出身ではなく、それまでのウルトラマンと無関係の設定になったのは、裁判の行方がわからなかったからでした。

 上海中央電視台では「ウルトラマン」から「ウルトラマン80」までが放送されたのですが、「ウルトラセブン」だけは除外されました。これが、ややこしい事情で、「セブン」の海外利用権は、アメリカのテレビ局が持っていたのでした。西暦2000年までの日本以外での権利は独占するという理不尽な話ですが、チャイヨープロの主張よりは、いくらかまともです。国内においては堂々と続編が作れて、21世紀が来れば海外販売も解禁されます。(「セブン」の配給権を握っていたテレビ局は明かされていませんが、TNTというロゴの入った、比較的画質の良い「遊星より愛を込めて」の裏ビデオを見たことがあります。このTNTが、そのテレビ局の名前ではないかと思っています)

 ともかくも、われらがモロボシダンが帰ってきました。平成ウルトラセブンは、この後、五年続きます。怪獣ハウスで、また取り上げることがあるかも知れませんので、今回はこのへんにしておきます。
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アンドロ仮面


 「宇宙船」Vol.82(平成8年12月)、Vol.83(平成9年3月)。この頃、「好き!好き‼魔女先生」のレーザーディスクが制作されていました。その作業過程で、当時の珍しいスチール写真が沢山発見されたようで、西村祐次さんの連載「超レア アンティークアイテムコレクション」で二号に渡って紹介されています。
 Vol.82は、アンドロ仮面の衣裳と小道具の資料写真。マントの裏地に模様があるように見えていましたが、これは表地の染料がにじみ出ていただけでした。これらの写真を参考に、アンドロ仮面の変身セットが商品化されました。しかし、未開封の美品が、いまだに出回っているところを見れば、あまり売れなかったのかも知れません。
 なお、アンドロ仮面のコスチュームデザインは、石森章太郎先生ではなく、テレビマガジンの連載漫画を執筆しておられた吾妻ひでお先生。

 「好き!好き‼魔女先生」の原作漫画は「千の目先生」なのですが、千の目先生・千草かおるが女子高の教師なのに対して、魔女先生・月ひかるは小学校の教諭。共通点を見つけるのが難しいくらい、全然違う作品です。見えざる敵と超能力者の暗闘。「幻魔大戦」の番外編とも読めます。
 実写ドラマ化に際して、脚本に市川森一さんが招かれました。「コメットさん」の方向を目指したのでしょう。魔法で児童の心や家庭の問題を解決していきます。主題歌の歌詞に「女先生」という古い言葉が入っていて、ド田舎の分校を連想します。「二十四の瞳」の感涙路線も狙っていたようです……それが、いつの間にやら、アンドロ仮面になってしまいました。
 アンドロ仮面は男子には好評だったのですが、女子には不評だったそうです。女子向け変身セットも売れ残るはずです。

 Vol.83の「好き!好き‼魔女先生」超レアスチールの第二弾は、アンドロ仮面に変身する前の月ひかる先生の写真集。
 月先生役の菊容子は現代劇でも時代劇でも通じる美人なのですが、撮影中や休憩中の表情や仕草に、たくまずして剽軽さが溢れています。子供番組の出演者として得難い女優だったのだと、あらためて思います。
 子供の悩みを解決してくれる女の先生は、聖女ではなく魔女だったのです。

タコギャング



 ローズマリーにからみつくタコギャング…というマリファンさんからのリクエストに応えて。
 このイラストに関しての言い訳は、長くなるのでコメント欄に書くことにします。

 タコギャングについて。「仮面ライダー(新)」第34話「危うしスカイライダー!やってきたぞ風見志郎!!」、第35話「風見先輩!タコギャングは俺がやる‼」の前後編に登場した怪人です。意外にも仮面ライダーシリーズでは、初のタコ怪人。第一期シリーズの五年間で、あらゆる動物モチーフを使い尽くしたものと思っていたら、タコがいなかったのでした。
 サブタイトルから察せられるように、V3・風見志郎が客演する文句なしに楽しい前後編。タコギャングを追ってボルネオからやってきました。

 前編「危うしスカイライダー!やってきたぞ風見志郎!!」。これだけ読むと、スカイライダーの大ピンチに風見志郎が助けに現れるストーリーだろうと思うのですが、なんと、まずスカイライダーが登場しません。風見志郎はV3に変身して、もう一人の怪人、マントコングと戦うだけ。
 このマントコングが、もの凄く強くて、手こずっている間に、筑波洋はタコギャングに湖に引きずり込まれて溺死。(タコのくせに、海ではなく、淡水湖に住んでいます)

 後編「風見先輩!タコギャングは俺がやる‼」。たのもしい後輩の一言のようですが、V3先輩には、より強敵であるマントコングを任せて、筑波洋は、スカイライダーに変身してタコギャングにあたるのです。
 タコギャングは、陸に上がれば仮面ライダーには敵いません。もともと卑怯な戦法の得意なズル賢いやつです。マントコングのヘマを魔神提督に告げ口するような、ちっさいちっさい男。スカイキックで爆死して終り。
 ボルネオから、こんなちっさいちっさい男を追いかけてきたという、風見志郎との因縁は語られずじまいでした。

モスラ2


 「宇宙船」Vol.82(平成8年12月)。特集「モスラ2 海底の大決戦」。
 モスラが海底で戦えるのか?と疑問を持つ人もおありでしょう。ごもっともです。ところがモスラは海に潜れるのです。宇宙でも羽ばたけますし、時間を超えて恐竜時代へ行くこともできます。触覚から光線を出すし、体の大きさを変えて分身攻撃も出来ます。

 映画「モスラ2」は、前作以上に子供向けでした。子供ばかり出てきます。主役は子供の頃の満島ひかり。この人は長じて「ウルトラマンマックス」で隊員役になります。そのときの履歴を見て「モスラ2」に出ていたのかと知ったくらいで、記憶にまったく残っていませんでした。
 「マックス」の隊員といってもアンドロイドの設定。棒読みで「ココロッテ ナンデスカ?ロンリテキ デハ アリマセン」みたいなしゃべり方をするやつ。こういう役は、演技の出来ない人がやらされるのだろうと思っていたら、あの実相寺昭雄監督に褒められて気に入られたそうです。
 実写ドラマ「ど根性ガエル」では、ピョン吉の声を演じて絶賛される芸達者でした。お見それしました。

 「モスラ2」は主題歌も子供でした。児童合唱団とかではなく、歌って踊る七人組の商業ユニット。平均年齢10才。Folderといいます。パンフレットにクソナマイキそうな写真が載っています。
 歌舞伎の家は別として、子供に芸能活動をさせるのは反対です。理想は、ハイジのように田舎でのびのびと育ってほしい。

 満島ひかりは、そのFolderのメンバーの一人だったのですが、中心人物は三浦大知という子供。まったく気にとめなかったのですが、この人も後に「仮面ライダーエグゼイド」の主題歌を歌うまでになります。さらには、平成天皇御在位三十年記念式典で、天皇陛下作詞・皇后陛下作曲という御製を歌う大役を仰せつかるのです。本当にお見それしました。

カブタック


 「宇宙船」Vol.81(平成8年9月)より「ビーロボカブタック」。3頭身から7頭身に変型(スーパーチェンジ)する玩具が評判良かった番組です。「フィギュア王」でも絶賛されていたので子供に買ってやったのですが、何回かスーパーチェンジさせて、一日で飽きてしまいました。当時は何と言ってもポケモンが大人気で、「カブタック」は、ブームの一塁一角も落とすことはできませんでした。

 「ビーロボカブタック」の前の番組は「ビーファイターカブト」。「宇宙刑事ギャバン」から始まるメタルヒーローの系列なのですが、「カブタック」で東映不思議コメディ的な方向にガラット転換しました。かの浦沢義雄さんも脚本を書いています。

 私が、この番組を録画していない理由は、志茂田景樹が博士役で出ていて気色悪かったからです。キャスティングした日笠淳プロデューサーは「スター性のある人に頼んだ」と語っていますが、外見を飾り立てている人をスターとは言いません。本人も「普通のおじさんの格好では子供に夢を与えられない」と全くわかっていません。
 汚い浮浪者の格好で舞台を通り過ぎるだけでも、客を笑わせ泣かせる人が本物のスターです。
 そんな藤山寛美みたいな空前絶後の役者を出さなくとも、東映不思議コメディシリーズなら「ロボット8ちゃん」の斎藤晴彦や魔法少女ものの柴田理恵は、本当に面白かった。この人たちの芝居が楽しみで番組を観ていました。

 「ビーロボカブタック」の次の番組が、犬のロボット「鉄ワン探偵ロボタック」。その後が、どうせ「ロボコン」のまがいものを作り続けるなら、いっそと「燃えろ!ロボコン」。これも大成功とは言い難い結果に終ったのですが、スポンサーに出資を募るとき「ロボコンやります」と言えば説明がラクだったので、その次も説明不要の仮面ライダーの新作「クウガ」を持ってきました。
 そして、現在に至る。
プロフィール

ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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