仮面ライダーキバ


 封印の鎖を引きちぎり、解き放て伝家の宝刀ライダーキック!12回目「仮面ライダーキバ」。

 なんのことは無い「怪物くん」の仮面ライダーです…と、大雑把に紹介するつもりで描いたのが上のイラストです。やたらゴチャゴチャしたものになってしまいました。じつに「仮面ライダーキバ」はゴッチャリした話なのです。日本のテレビドラマ史上一番ややこしい話ではないかという気がします。過去と現在がクルクルと入れ替わり、1分見逃したら、ストーリーの繋がりが理解できなくなります。一週も見逃したら状況が劇的に変っていますが、その変ったことが判らないほどに複雑な物語なのです。川で溺れているザリガニを助けようとして自分が溺れたりする、そんなややこしい人物が次から次へと出てきます。
 主人公はバイオリン職人紅渡。父、紅音也が遺した名器“ブラッディ・ローズ”を再現することを目標に生きています。真面目な人間ですが、猫に筆談を試みるようなズレたやつでもあります。

 テレビで観ているだけでもややこしいのですが、実は、テレビでは語られない裏設定が携帯電話のマニュアル書くらいにずっしりとあります。子供番組としてはオーバースペック過ぎます。致死量を超えたオーバーキルです。
 「キバ」の怪人群はファンガイアと呼ばれます。デザインは篠原保さん。コンセプトはステンドグラス。生物モチーフの怪人の表面を多面体に再構成します。そして、色ガラス風に塗り分けるのですが、その際、だまし絵として鳥の要素をどこかに加えるのが約束です。人智を超えています。当然、一体ごとにスペックオーバーな裏設定がたんまり書かれていて、とどめのキラースペックは、分類名とは別の真名。スパイダーファンガイアの真名は「光ある楽園の綺想曲」、カメレオンファンガイアなら「塩の結晶格子に潜む夫妻」……視聴者が求めている認識レベルを超越しています。

 対ファンガイア用システム・イクサもオーバーキルです。まず、その名前が良過ぎます。Intersept X Attacker 略してIXA。もちろん「戦」の意味も併せ持ちます。日本の兜とヨーロッパの兜の特長を兼ね備えた仮面は、まさに戦士、まさに武者。開くと複眼が表れて仮面ライダーの顔になります。1986年に初号機が完成し、以降22年間で11回のヴァージョンアップ。これだけで一本のシリーズが作れるスペックです。
 ならば、イクサが、シャドームーンやG3ほどに人気が出たのかというと、さにあらずで、複雑怪奇な「キバ」の物語の中に埋もれてしまいました。いや、それよりも、「キバ」本体が、あれだけ詰め込んで盛り込んだ作品だったのに、平成ライダーシリーズの中で沈んでしまっているのです。「鎧武」のときにオールタイムライダー怪人の人気投票が行われ、ベスト60が発表されましたが、ファンガイアは一匹も入っていませんでした。

 それでもなお、忘れられない男がいました。紅音也。メインライター井上敏樹さんの父親、伊上勝がモデルだとも云われています。天才バイオリン奏者にして稀代のバイオリン職人。自信過剰で女好きの怪男児。その言行は常軌を逸していて、関わった人間の人生を狂わせていきます。演じたのは武田航平。この人も平成ライダーの功労者です。
 人間界はおろか魔界の常識も通じない非常識男・紅音也に、ファンガイアのクイーンも運命を狂わせられました。人間族の子を妊娠してクイーンの座を追われます。生まれた子が、キバ紅渡でした。    つづく
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電ライナー


 時を走る列車電ライナー。次の停車駅は、昭和か?令和か?11回目「仮面ライダー電王」。
 電車に乗った桃太郎の仮面ライダーです。ゲーム「桃太郎電鉄」からの発想でしょうか。もともと「桃太郎電鉄」すら「桃太郎伝説」からのダジャレ的もじりだったのですが…。
 電ライナーは電車型タイムマシンです。浦島太郎や金太郎と友達になりながら、昔話の中の怪物を退治してゆきます。もう仮面ライダーでも何でもありません。子供だまし、ここに極まれり。いい加減にしろ!と思ったのですが、面白いか、面白くないかと聞かれれば…ものすごく面白かったのです。

 主人公、野上良太郎がまた、すごいやつでした。平成ライダーといえば、料理が得意、テニスが上手、お手玉も出来ると、器用なやつばかりでしたが、良太郎は不器用です。なんにも出来ません。バイクの運転が下手な響鬼さんとか、アイロンがけが苦手な乾巧みたいなのもいましたが、良太郎は自転車すらまともに乗れません。気が弱く、もちろん喧嘩も弱い。ならば、頭がいいのかと言われれれば、勉強についていけなくて高校中退。
 姉さんが喫茶店をやっているので手伝えばよいのですが、不器用なのでコーヒーも淹れれませんしサンドイッチも作れません。
 では、買い物にでも行かせようかとすれば、運が悪いので目的地にたどり着けません。どういうことかと言えば、例えば土手の道を歩いていたとします。すると、必ず河川敷でやっている草野球のファールボールが直撃するのです。そして、昏倒。奇跡的なまでに運の悪い男。天道総司のレベルを凌ぐほどにも神に選ばれし者なのです。
 こんなにも弱い野上良太郎が電王に変身したら、打って変わって、無敵の仮面ライダーになるのだろうと思ったら、そうでもありません。どこまでも不安定な仮面ライダーなのでした……

 さてみなさん、電王の乗る電ライナーは空も飛べます。わが国において、列車が飛ぶのは珍しいことではありませんが、電ライナーの斬新なアホらしさは、CGで空中に線路を敷設しながら飛ぶことです。
 そして、鉄道好きにとって眼福に思ったのは、装甲列車の活躍をCG特撮で見せてもらったことです。実際の戦史で、装甲列車の成功例はあまり聞きません。砲塔や機関銃で武装した列車というのは夢がありますが、簡単に考えて、線路を切断されたら万事休すです。
 しかし、電ライナーは、自力で線路を敷きながら走ります。電動車(食堂車?)の後ろに犬大砲車、猿爆弾車、雉ミサイル車を連結。砲口や発射装置は全部、進行方向左を向いています。目標を中心にして、常に左旋回しながら攻撃します。この方法が理にかなっているのかは解りませんが、これしか出来ない不自由さが装甲列車のリアリティーを感じさせて楽しい。

 装甲列車のついでに列車砲のことも書いておきます。
 列車砲とは、大口径長射程砲に架両をつけて機関車で引っ張っていき、国境を越えて砲撃する作戦思想の兵器です。わが帝国陸軍の歴史上にも一門しかありません。満州に配備してソ連に向けていたのですが、結局、使わずに解体されました。
 これの最大の物は、やはりドイツ国防軍の80cm列車砲です。マウスとかエレファントよりまだ大きくて、2本のレールでは足りず、8本のレールに乗っていました。運用には旅団規模の人員が必要になったといいます。グスタフとドーラの愛称で二門造られたのですが、費用対効果は、大和・武蔵よりもっと悪い。ドイツの敗因と揶揄されました。

 ところが、グスタフのほうは、後年、ブレイン党によって復元。自走砲に改造されて、大鉄人17と戦いました。     つづく

仮面ライダー THE FIRST


 昭和から平成へ、そして、新帝の御代へ、受け継がれる魂。10回目「仮面ライダー THE FIRST」。
 毎年、あっと驚く斬新な趣向の「仮面ライダー」を楽しみにはしていたのですが、その中に「城南(高校)」とか「立花」姓などの昭和ライダーのエレメントが入っていると嬉しくなります。やっぱり観たかったのは昔の仮面ライダーなのです。
 映画「仮面ライダー THE FIRST」の制作発表を聞いたときは大喜びしました。仮面ライダー1号誕生の瞬間をリメイクするというのですから。仮面ライダーのマスクとスーツをリファインするのは出渕裕さん。究極のバッタライダー、アナザーアギトをデザインした人です。楽しみでもありますし、安心でもあります。
 監督は長石多可男さん。生田撮影所開設当初から助監督として脚本家として「仮面ライダー」を作り守り続けてきた功労者です。脚本は伊上勝の息子、井上敏樹。音楽は安川午朗。長石・井上・安川は「超光戦士シャンゼリオン」のトリオ。平成ライダーの原点は、あの「シャンゼリオン」なのでした。
 出演は、本郷猛に黄川田将也。つい最近「リュウソウジャー」に出ていましたが、当時、この人のことは知りません。一文字隼人は、高野八誠。この人なら知っています。立花藤兵衛役は、宮内洋。この人も知っています。高野八誠は、漫画に描かれるときの風見志郎に似ていると思っていました。黄川田将也は、藤岡弘ではなく、石森章太郎の原作漫画の本郷猛に似ています。

 映画「仮面ライダー THE FIRST」。初日の梅田東映はものすごい人でした。全ての回が満席です。子門真人の主題歌♪せまる~ショッカーが流れたとき、ふと見たら泣いている人がいました。
 私は、宮内洋の登場シーンが短いのが不満でした。新本郷猛にサイクロン号を与える一場面だけです。この映画のキャッチコピーは「継ぐのは、魂」。石ノ森章太郎、平山亨、伊上勝、そして、小林昭二の魂を、宮内洋の手から次の世代に託すという核心の瞬間ではありますが、疑問が残ります。ここまでの流れで、改造前の本郷猛がオートバイレーサーか、それに準ずる技量のバイク乗りであることが語られていません。
 映画の本郷が何をしていた人かというと、雪の結晶の研究…?当時…水には心があって、その意思が様々な形の結晶になって表れるという珍説が発表されたらしく、井上敏樹さんがいち早く脚本に取り入れたのです。ショッカーに改造され、洗脳され、命令のままに悪事を働いていたのですが、任務中に降ってきた雪の結晶を見て、自分を取り戻したのです。
 そして、旧知の宮内洋の前へ現れるのですが…これは違う。ショッカーに意識を操られたバッタ男を、宮内洋がバイク好きの本郷猛だと見抜き、サイクロンのエンジン音で覚醒させる展開でなくてはなりません。そして、宮内洋によって「仮面ライダー」と命名されるべきでした。

 この映画で、私の好きな場面。緑川あすかが夜道をトボトボと歩いています。ついてないことに靴のかかとが折れました。そこへ通りかかったのが、怪人を倒した帰り道の仮面ライダー。サイクロン号に乗せて家まで送ってやります。戦闘用にチューンナップされたマシンなのでタンデムシートなんかありません。振り落とされないように背中にしがみついているうちに好きになるのです。
 パーマンやガンバロンを低学年女子が結婚対象に想定するのではなく、婚期にある女性が仮面ライダーに恋愛するのです。スラップスティックともファンタジーとも言わせない、力づくのリアルです。
 婚期という年齢表現をしました。緑川あすかは婚約者をショッカーに殺されたのです。そして、その犯人は本郷猛ではないかと疑っています。根拠は、本郷が殺人現場にいたことと、以前から自分に好意を持っていたこと。これは、その夜、最後まで仮面ライダーが仮面を取れない理由でした。

 濡れ衣がはれれば、二人の仲はとんとん拍子に行くのかと思ったら、ここに一文字隼人が割り込んできます。井上敏樹さんの脚本によく出てくる、女にグイグイ行くタイプの野郎です。「嫌い」と言われても、まだ食事に誘います。あげくの果てに、ショッカーまで裏切ります。
 本郷猛と一文字隼人に命懸けで求愛される緑川あすか役の小嶺麗奈は「実生活では、そんな経験は無かった」ようです。

 ここで、参考作品として提出したいのは、平成5年井上敏樹脚本のアニメ「仮面ライダーSD」。スポーツジムのお姉さんを好きになったRXが、手順を踏んで親しくなろうとモタモタしていたら、グイグイ型のV3先輩が割り込んできてかっさらっていきます。「THE FIRST」と物語の構図が似ている気がします。これは無視しきれないアニメで、立花藤兵衛の声を小林昭二その人が演じています。

 「THE FIRST」に嫌いな場面があります。
 1号と2号が殴り込みをかけるショッカーのアジト。タマネギ型のタンクがひしめくプラントです。実在する景観で撮影したそうです。ロケーションとしては面白いのですが、私は圧迫感と不安定感で気持ちが悪くなりました。後で、夢に見たくらいです。球体や円筒に囲まれた場所に迷い込んで右も左もわからなくなりました。『ここはどこやろ…出られへんようになったで…』映画「仮面ライダー THE FIRST」においては、私はここで泣きそうになりました。                つづく

仮面ライダーカブト


 ありがとう平成ライダー20年、ありがとう浜村淳です45年、「仮面ライダーは庶民とともに」9回目。GOD SPEED LOVE「仮面ライダーカブト」。

 さてみなさん、平成ライダーで誰が一番カッコいいと思われますか?強さや性格は関係なく外見だけという前提で。
 私はカブトです。カブトムシの仮面ライダーは三人目なのですが、これが決定版です。文句のつけどころが無い洗練された姿です。顎を引くと目つきが尖って見えるように立体物としても計算されています。何よりも、横から見ると頭にカブトムシがカポッと乗っているのです。えも言われずかわいい。

 究極のカブトムシライダー・カブト。だからと言ってガッチリした人が変身するのかと思ったら、選ばれたのは水嶋ヒロという華奢な男。本人も「体弱いのに、どうして仮面ライダーの仕事が来たんだろう?」と不思議がっていました。危ないことはさせないと聞いて引き受けました。安心していたのに、岩場の上での立ち回りがありました。「痛いし、怖いし、足が折れるかと思った」…弱すぎます。昭和ライダーなら裸で岩礁上を転げ回らなければなりません。カブト映画「GOD SPEED LOVE」では、現役のK1選手武蔵と戦わされました。有名な斬られ役・福田清三さんが、昔、ウィリー・ウィリアムスのパンチで肋骨を砕かれた話を思い出して本気で心配しました。
 水嶋の役名は天道総司。嗅覚と味覚が鋭いところは昆虫的かも知れません。厨房の奥にある、まかないの鯖の味噌煮の匂いを嗅ぎだしたり、豆腐一丁でおいしい朝ご飯をこしらえたりします。義理の妹も、朝起きるのが楽しみです。怪人(ワーム)と戦う前のキメ台詞は、おばあちゃんに教わったことわざ。(毎回違うことポワトリンの如し)不思議な人でした。
 このあと、水嶋ヒロは「小説家になる」と、分らないことを言って、あっさり俳優をやめました。

 なお、カブトは怪力とか堅牢などのカブトムシの属性を前面に出したライダーではありません。強くて硬いのは仮面ライダーとしてデフォルトであって、最大の売りはスピードでした。クロックアップというサイボーグ009のような機能がついており、人間の動体視力では捉えられない速度で動けるのです。

 同時期、ウルトラマンも、最速を誇るマックスが活躍中でした。アニメ界の源田実と名高い、板野一郎さんを招いてCGでビュンビュン飛ばせていました。
 一方、カブトはといえば、高速を表現するために風景をゆっくり動かしたのです。
 雨中でのクロックアップは語り草です。カブトとワームが戦っている周囲で雨がスローモーションで降っています。雨粒はカブトに触れると加速をつけて弾け飛びます。カブトと雨は別撮りで、水滴はCGかと思うのですが、説明されてもイメージできないのは、このクロックアップ撮影の際、カブトはゆっくり動かなくてはならないということです。通常より早く動かなければいけないのかと思ったら、むしろ逆なのでした。これで困ったのはジャンプしての飛び蹴りが出来ないこと。カブトのライダーキックは地に足を着けての回し蹴りになりました。この、普通の回し蹴りが好評でした。落ち着きのある大人のライダーキックです。速さの表現方法として、仮面ライダーはウルトラマンに勝ったと感じました。

 作品「ウルトラマンマックス」の完成度が「仮面ライダーカブト」に劣っているとは考えていないのですが、勢いは平成ライダーにありました。その温度差を身をもって体感したのが、ウルトラマンアグルと仮面ライダーライアに変身した高野八誠です。「周囲の反応が全然違った」と証言しています。この正直な感想は特撮ファンとしては寂しいのです。    つづく

響鬼


 吉本新喜劇60年、平成ライダー20年「仮面ライダーは大衆とともに」8回目。山田スミ子の魂も鎮めよ!清めの音撃「仮面ライダー響鬼」。
 横長の画面に縦書きのタイトルで始まる一之巻(第1話)「響く鬼」。主題歌がありません。
 足立明日夢が、朝起きて、学校へ行って、弁当食べて、進路相談を受けて……次の場面は、法事のため、母親の故郷屋久島へ向かうフェリーの船上。いったい何を見せられるのだろうと不安になります。新ヒーロー響鬼はといえば、突然、口を開けて火炎を噴きました。

 何が始まるのだろうと、とぼけてみましたが、「響鬼」のときは、わりと早目に情報が回っていました。「お前にだけ、特別にチラッと見せてやる」とスーツの写真を見せてもらった時点で、私は「響鬼」の概要をつかんでいました。『フンドシした鬼が、太鼓を叩きながら妖怪を退治する。』聞くだに楽しそうです。
 ところが「響鬼」こそ難産中の大難産の逆子。中絶を破って生まれてきた鬼っ子だったのです。
 前作「剣」では、生物史を書き換えるほどの壮大なストーリーを展開させますが、番組の評価は上がらず、物販の収益は伸びません。「仮面ライダー」は打ち切ろうということになりました。次回作は「変身忍者嵐」の現代版ということで企画を練ってゆき、「響鬼」にまで辿り着いた土壇場で「仮面ライダー」続行の至上命令。まったく違うものに仮面ライダーの名前をかぶせて世に出すことになりました。
 仮面ライダー役と聞いてオファーを諒承した細川茂樹は、思っていたのと違って戸惑いました。「鬼」とか「太鼓」とかいう説明を聞いても混乱するばかりです。
 響鬼のデザインについては語り始めると終りません。それよりも、私は、細川茂樹の響鬼さんが好きになりました。
 いじめられっ子を助けられない弱虫中学生だったけど、一念奮起して肉体改造に励み、二十年間鍛えに鍛え、修行に修行を重ね、ついに鬼の如き体力と精神力を獲得しました。自信と余裕にあふれたおっさんになったのですが、屋久島で弱虫中学生明日夢に出会って何かが変り始めます。くりっとした目を、憧れでキラキラさせながらつきまとってくる少年に、自分は何を答えてやったらよいのか?
 俳優細川茂樹自身が、迷いながら、確かめながら、ときには、監督やプロデューサーの意向をはねつけながら、独特の仮面ライダー像を作り上げました。

 こんなブログのこの程度の文章ではありますが、間違ったことは書いてはいけないという自戒はあります。今回見直してヒヤッとしたのは、甘味処「たちばな」にいる三人の娘は、三姉妹かと思い込んでいたら、一人は他人だったことです。三姉妹と書きましたが、梅宮万紗子と蒲生麻由はずっと見分けがつかなくて同一人物かと思っていました。二人とも美人です。「クウガ」から、ここまで見直してきて、平成ライダーに美女・美少女ばかり放り込んでくるのは「響鬼」からだと判明しました。
 滝沢みどり役、梅宮万紗子は、その名のごとく、梅宮辰夫の姪。アンナの従妹。立花香須美役、蒲生麻由は最初から響鬼さんと行動していたので彼女かと思ったら、最終決戦の前に威吹鬼とひっつきました。この成り行きも忘れていました。

 神戸みゆきが演じた三人目の立花日菜香。顔立ちといい、言動といい、死んだ義理の妹に似ていて嫌いでした。しかし、いまなら、あいつらの気持ちがわかります。自分の思っていることと現実の社会が全然違うので、その差をなんとかしたいと変なキャラクターに擬態しているのです。傍目にはしんどそうに見えますが、本人はあれがラクなのです。

 秋山奈々。この人は役柄にあててキャスティングされたのではなく、本人の持つ不思議な雰囲気を活かして、天美あきらというキャラクターが作られました。威吹鬼の弟子になって鬼戦士の修行中という役どころです。轟鬼の戸田山とか、「竜騎」のゴロちゃんなんかも俳優に合わせて創られたキャラクターです。俳優に合わせてキャラクターを作ったら、ストーリーにも影響が出るのですが、何故かいつも面白くなります。
 秋山奈々のあきら…15歳くらいの背の低い女の子が一所懸命やっている姿を見るだけで胸がつまりそうになります。一回だけ鬼に変身しましたが、一発でぶっ飛ばされて気絶して裸になりました。

 モッチーこと持田かおり。演劇部からチアリーディング部に興味が移り…いつの間にやら人形劇と紙芝居を合わせたようなボランティア活動を始めていました。戦闘に関わりの無い登場人物にも意思を持った行動をさせるところが「響鬼」の素晴らしさです。持田役の森絵梨佳は、いまでもキリンプロの看板スターです。キリンプロは、「アギト」の秋山梨奈以来、平成ライダーに女優を送り込み続けています。キリンプロの大阪事務所は谷町四丁目の坂道を降りていったところにあるビルです。秋山梨奈と秋山奈々は名前が似ていますが、秋山奈々はキリンプロではありません。

 異形のライダー「響鬼」は、「平成のアマゾン」と賛意を込めて呼ばれていましたが、最近は、その呼ばれ方をしません。   つづく
プロフィール

ハヌマーン&さとる

Author:ハヌマーン&さとる
怪獣本・特撮書籍の蒐集。

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